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2022/11/07

ほんとうにあった怖くて不思議な話

いつも通る坂道を下ったところに統一教会がある

 

 建物の脇を谷川が流れ、橋が架かっている。川の底まではかなり深いが、水量は少ない。そんな堀川だ。

 教会の建物の前は道路に面した駐車スペースになっており、普段は夜間でも12台の車が駐車しているが、この日はゼロ。

 今日の夜、友人と会った帰りに、その前を通ると、入り口の扉に何やら張り紙がしてあった。

 一度は、通り過ぎたが、時節柄、気になって近づいてみると、

 「取材には答えない」「信者にあれこれいわないでほしい」

 といった内容のことが書いてあった。

 

 「へえ、そうなんだ。ここらへも取材に来るんだ」

 と思った。

 

 この話は、これで終わりで、以下は、数年前の夏の話。

 ベランダの方から妙な声がしたので、覗いてみると、インコが人の声をまねているのだった。

 よく聞くと、

 「芦田愛菜だよ、芦田愛菜だよ

 と繰り返しいうので、こちらも同じように、

 「芦田愛菜だよ、芦田愛菜だよ

 と甲高い声で真似してやると、

 「へたくそ、へたくそ」

 といったので、思わず笑ってしまった。

 手を伸ばすと飛び乗って、腕を伝って肩に乗った後、飛んで行った。

 

 それからしばらくたって、統一教会の前を通ると、聞き覚えのある

 「芦田愛菜だよ、芦田愛菜だよ

 という声が聞こえたので、足を止めた。

 あたりを見回しても姿が見えないので不思議に思っていると、また、

 「芦田愛菜だよ、芦田愛菜だよ

 という声がした。

 駐車場に止まっていた車の窓が開いていて、後部シートの鳥かごで物まねしているのだった。

 「あのときのインコに違いない」

 と思ったとたん、いたずら心が湧いてきたので、物まねを返してやった。

芦田愛菜だよ、芦田愛菜だよ

 すると、インコは、

 「へたくそ、へたくそ

 というので、私は新しい言葉を教えてやった。

 「淳子だよ、桜田淳子だよ

 と、56回繰り返すと、そのインコはすぐに覚え、

 「淳子だよ、桜田淳子だよ

 と、上手に物まねした。

 私はパチパチと拍手をしながら、悪乗りして歌を歌った。

  「♪ようこそ ここへ クッククック わたしの青い鳥

 インコは、目をパチクリさせながら興味深く聞いていたので、さらに繰り返そうした。

 ところが、その直後に協会のドアが開いたので、あわててその場を離れた。

 少し歩いて、うしろを振り返ると、老年の女性が車に乗り込むところだった。

 それから何年か経ったが、あのインコと会うことはなかった。

 

 今度会ったら、教える言葉は決めてある。

 「岸田さんも、大変だね。統一教会、統一教会

 (城島明彦)

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