政府の「コロナ・アバウト発言」に異議あり! 「どのデパ地下で何人感染」と細かいデータをなぜ示さぬ?
「デパ地下が感染の半分を占める」(西村大臣)といった漠然とした答弁では、国民の理解は得られない!
菅内閣が国民の支持を得られない理由は、発言内容が具体性を欠くからだ。数字を挙げても、成果が見えないからだ。
五輪開催の「安全・安心」についても、答弁が漠然としすぎていて、「ごまかしている」「はっきりしたことはいえない」「何かを隠している」と受け取られた。こんなレベルの低いことをいわせるな!
昨日の首相の会見では、ワクチン接種の人数については、「これだけやった」といわんばかりに説明したが、国民の見方は「自分に都合のよいところだけ、具体的な数字を挙げている」としか映らない。それどころか、「そんなに接種しているのに、これだけ感染者が激増しているのは、なぜだ。対策が後手後手に回っているからじゃないのか」と反発を買う始末。これじゃ信頼しろという方が無理だ。
国民を納得させるには、因果関係がもっとハッキリした具体的数字を示す必要がある。
たとえば、「この道路は安全です」と漠然といっても、何のことやらわからない。
舗装が頑丈なのか、道幅が広いから事故が起きにくいのか、信号がいくつもあり速度制限が設けてあるから安全なのか、車道と歩道の間に屈強な材質のガードが設けてあるから事故が起きても歩道を歩く人が安全なのか……いろいろな理由がある。
デルタ型コロナまん延防止策として、デパ地下も食品売り場の規制を厳しくするのであれば、わかっている限りでいいから、「どこそこのデパ地下では、これこれしかじかの感染者が出た」云々と具体的な細かい数字を示せば、デパート関係者も納得するし、国民も納得する。
さらに、スーパーでの感染者についても、なぜ、比較できる具体的な数字を示さないのか。
だらだらした100の抽象的な説明より、具体的で比較できる1つの数字の方がわかりやすい。
①銀座三越の地下食品売り場での感染者(推定)
入場者総数△〇×名中、●●名感染(×月×日~△月△日)
②日本橋高島屋の地下食品売り場での感染者(推定)
入場者総数□◇◇名中、▲▲名感染(×月×日~△月△日)
のように、はっきりわかれば、デパート感染者も国民も納得する。
そういうことをしないで、ただ漠然と「デパートでの感染者の半数は地下食品売り場」といっても、説得力に欠ける。
最初の頃、繁華街での飲酒に問題ありとしたが、なかなか収まらなかったが、「新宿歌舞伎町」と特定した発言をしたら、発生をある程度抑えることができた。
そういう前例をなぜもっと生かさないのか。
「具体的な店名や場所を特定するのはまずい、個別攻撃になる、名誉棄損になる」などと、生ぬるいことを思っているのか。
そういう中途半端な遠慮・ちゅうちょばかり繰り返しているから、コロナ爆発を抑制できなくなっているのだ。ニュージーランドの女性首相は、デルタ感染者が1名判明しただけで「ロックアウト宣言」をした。先手必勝。こういう素早い手の打ち方をなぜ菅内閣はできぬのか。
当然反発も食らうだろうが、国を守るためであり国民を守るためでもあるのだから、果敢な決断として評価されてしかるべきだろう。
菅首相が内閣支持率を回復させたいと思うなら、「外国の動きを見てから」という〝後手後手〟のやり方ではなく、「えっ、そこまでやるの」といわれるくらいの大胆なことをやったらどうだ。
(城島明彦)
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