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2021/07/08

あの手この手で相手の動揺を誘う白鵬の、ここが〝悪賢い〟!

巨漢には効かない「張り差し」の代わりに逸ノ城に「待った」を2回!

 

 白鵬の5日目の相手は、体重200キロの〝超巨漢〟逸ノ城。この力士、体つきと違って肝っ玉は小さい。それが表情にも表れている。

 白鵬は、そういう相手には得意の張り差しをしばしば封印し、そのかわり、別の狡猾な手を使う

 横綱を倒そうと気がせいている逸ノ城がさっと立つのを、白鵬は見透かし、わざと立つタイミングを遅らせて「待った」をして気迫を削ぎ、さっと組みつき、もろ差しになって苦もなく寄り切った。

 1度目の待ったは許されるとしても、わざとらしく2度重ねたら、何らかの悪意を疑わざるを得ない意図的に相手と呼吸を合わせないようにして、逸ノ城の気迫を空回りさせ、動揺を誘えば、勝負する前の時点で白鵬は優位に立てる。そういうところまで計算するのが白鵬なのだ。 

 待ったをするのは、力士として「当然のかけひきなのか? いや、それは力士の地位による。横綱が待ったをわざとらしく繰り返したら、「せこい立ち合い」とみなされる。横綱なら少々立ち遅れても受けて立つべきだろう。大横綱といわれる双葉山や大鵬は、立ち遅れても受けて立ったが、優勝回数や勝ち星で2人をはるかに超えている白鵬は、絶対にそうはせず、意図的に待ったを繰り返して相手の気持ちを萎縮させ、本領を発揮させなくする。地位の低い力士なら「立派な作戦」とみなされるかもしれないが、こと天下の大横綱となると、そうはいかない。

 相手が脳に衝撃を受けて動きが鈍くなるのを狙って、白鵬が張り差しを連発してきたのも、考え方の根っこのところは同じだ。

(城島明彦)

 

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