2人のショウヘイ(野球の大谷翔平と柔道の大野将平)に、外国人は「武士道」の神髄を見る!
「笑顔が礼儀」の大谷、「笑わぬ無表情が礼儀」の大野――求道者2人に共通するのは「敵への思いやり」と「礼儀」だ
勝敗は時の運。いつも、いつまでも勝つとは限らない。
勝って奢らず、負けて腐らず。
柔道では、勝っても畳の上では笑ってはならぬ。負けても畳の上では涙を見せてはならぬ。
勝とうが負けようが、感情をかみ殺し、無表情で礼をする。それが戦った相手へのリスペクト、礼儀というもの。
喜怒哀楽を表わすのは、戦場である畳を離れてからだ。
国技の大相撲でも同様(だったはず)。昔から親方が「勝っても負けても、土俵上では感情を露にするな」と繰り返し教えた。
ところが、白鵬は、力士の最高位で品位を問われる横綱でありながら、名古屋場所の千秋楽にプロレス技のような品性下劣な手を使って勝ち、優勝を決めた瞬間、ガッツポーズをし、雄たけびを上げて、喜びをあらわにした。そういう態度は、神聖であるべき神事を汚す行為であり、敗れた相手に対しても無礼この上なく、白鵬は、どんなに勝とうが、何度優勝しようが、国技の武道者としては失格である。
白鵬と正反対なのが、柔道75㎏級の大野将平だ。ぶっちぎりの強さの大野だが、これまでの試合で感情を露にしたことはない。いってみれば、それこそが武士のたしなみ。〝大和魂〟ともいうべき最高のスポーツマンシップである。
一方、大リーガー大谷翔平のスポーツマンシップも最高最善だ。大谷の勝負に向かう眼光は鋭いが、敵の選手に対する態度は笑顔で柔和に接するので、アメリカ人が称賛するのは当然である。
「野」のショウヘイか、「谷」のショウヘイか。
大谷翔平 1994年7月生まれ 岩手県奥州市出身 柔道の求道者
大野将平 1992年2月生まれ 山口県山口市出身 野球の求道者
(城島明彦)
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