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2021/05/12

NHK大河の悪い癖が始まった! 「蒼天を衝け」の平岡円四郎(堤真一)が「べらんめえ口調」で浮きまくっている

ドラマ展開をもっと主役の渋沢栄一に絞れないものか!

 

 平岡円四郎は、渋沢栄一と一橋慶喜(15代将軍徳川)をつないだ人物だが、資料はほとんどない。

 この人を演じている堤真一は、べらんめえ口調を使いまくって、ドラマから浮いている。

 

  べらんめえ口調で有名なのは勝海舟だが、知名度の点では、平岡円四郎はその足元にも及ばない。

 なのに、主役の渋沢栄一を食うような芝居をさせている。

 渋沢栄一は自叙伝の類をたくさん残しているが、そこにも平岡はそれほど出てこないし、渋沢と直接知り合ったのではない。

 自叙伝などを読めば、そういうことがわかる。

  平岡は、徳川慶喜を支えた一人だが、やがて暗殺される人物なのに、NHKはえらくこの人に入れ込んでいる。

 だが、そうすればするほど、主人公の渋沢栄一の存在が軽くなっていく。

 「京都へ行く通行手形をもらいに平岡の屋敷へいったら、平岡はすでに京都へ出かけており留守で、かわりに奥さんが通行手形を渡してくれた」という程度のことしか書いてないのに、NHKは平岡の妻役の木村佳乃にたっぷり芝居をさせている。しかも、その性格は、平岡円四郎同様、妙に明るく、キャピキャピした人物になっていたので驚いた。

 それぞれの人物の家庭内のことを描けば描くほど、歴史的人物としての重みは薄れていき、それにつれて視聴率もだんだん下降していく。

 

 NHKは、これまで描かれていない人物で新たな人物像を作ろうとしているのかもしれないが、過去にも同様のことを繰り返して、次第に人気離散してきたことを忘れ、また〝独りよがりの世界〟に入りつつある 

 主人公にもっと傾注せよ。そういいたい。 

 拙著『福沢諭吉と渋沢栄一』では、渋沢栄一と福沢諭吉の人生を比較対照しながら描いており、平岡円四郎にも触れているので、関心のある向きはどうぞ。

  Photo_20210512074501

(城島明彦)

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