「モスラ」の大好物が「モスラバーガー」って知ってた?
♪モスラやモスラ イン・東京ドーム! の対決はどうなるの?
ひさしぶりだね、よい子のみんな、元気かァ~い?
おっちゃんは、というより、ジジイは超元気。
毎日、「チンチンルンバ」を歌っているよ。
♪ちんちん うぱうぱ ちんちんちん わっはっは
笑って笑って、コロナなんか吹っ飛ばすんだ!
――今日は「モスラ」の話だよ。
♪モスラや モスラ
そう、あのモスラ。
NHK朝ドラ「エール」の古関裕而(こせきゆうじ)センセイ作曲の「モスラの歌」のお話だよ。
モスラはイモムシの仲間だね。
同じイモムシの幼虫でも、羽化(うか)すると、チョウではなくて、ガになるんだ。
うかうかしていられないね。
今日のお話は、「モスラ特別版」だよ。
――巨大なイモムシ怪獣モスラは逃げていた。
♪イモムシ ゴロゴロ
空じゃ雷 ゴ~ロゴロ
モスラも ゴ~ロゴロ
おなかがへって ゴ~ロゴロ
モスラはクジラをねらった。
クジラは必至で逃げたが、とうとう捕まって、
「ホゲイ、ホゲイ」
と悲鳴をあげた。
これが「捕鯨(ほげい)」の始まりだったんだよ
捕鯨のごげんは、こんなところにあったんだね
ところがモスラの前に強敵があらわれた。
ゴジラだね。
モスラは、ゴジラに追われて太平洋を逃げたんだ。
そして――モスラは、ついに日本上陸だ!
そこまでは、モスラだけに、もうスラスラといった。
モスラが逃げ込もうとした先は、東京ドームだったんだ。
♪モスラや モスラ イン・ドーム
東京湾には、インファント島のムー帝国巡視艇(じゅんしてい)が出現した。
モスラを守って戦う巡視艇「〝闘巡艦〟(とうじゅんかん)ラー」だ。
「ラー」は、古代エジプトの太陽神にあやかった名前なんだ。
驚く観客をしりめに繭(まゆ)を作りはじめるモスラ。
と、どこからか、酔っぱらったゴジラが現れた。
ゴジラは、指先で軽くドームのドアを叩いた。
「トントントン、トントントン」
しかし、応答(おうとう)がない。
♪おっとさんが呼んでも おっかさんが呼んでも いきっこなしよ
ゴジラは、頭にきて、ほえた。
「留守と? ウィッ! ラー ドア」
ドアを叩きこわし、球場内に入り込んだ!
そこへ、すけっと(助っ人)がビスケットを食べながら現れた。
「かさく」だった。
漢字で書くと、「嘉作」だよ。
嘉作のご先祖さんは知ってるよね。
♪与作は木を切る トントントン トントントン
♪嘉作も木を切る トントントン トントントン
そう、与作(よさく)だよ、そのお父さんは田吾作(たごさく)で、野球でエラーしたら失策(しっさく)だ。
嘉作(かさく)は、人々から、こう呼ばれていた。
「かさくやん」
嘉作やんは、以前、モスラの母親をかくまったことがあるんだ。
ガに羽化するまでの変身を手伝ったんだ。
ところで、モスラの大好物(だいこうぶつ)を知ってるかい?
バーガーだよ、特にモスラバーガーには目がないんだ。
〝闘巡艦〟(とうじゅんかん)ラーは、
「東京ドームの皆さん、われわれがついています。がんばってください」
とエールを送った。
東京ドームの観客は元気づき、
「♪エールが来た エールが来た どこに来た」
と歌って、みんなそろって、モスラをに声援(せいえん)をおくったぞ!
「モスラ~や! モスラ!」
その声に腹を立てたゴジラが、殺人光線を吐く準備をする。
「モスラ、あぶない! 早く羽化してッ!」
こどもたちの祈りの声は、たちまち大合唱となって、ドームにひびきわたった!
インドネシア語のようだが、こんな日本語のようにも聞こえた。
〽モスラや モスラ [モスラ ヤ モスラ Mothra, ya, Mothra]
どンなたが 嘉作やん? [ドゥンガン カサクヤン Dengan kesaktian hidupmu]
イン・ドーム! [インドゥムゥ Hidupmu]
留守と? ウィッ! ラー ドア [ルスト ウィラードア Restuilah doa]
半端 半端 ムーやん [ハンバ ハンバムヤンHamba-Hambamu Yang]
乱打 バン! ウン? 裸打ン? [ランダ バンウンラダン Rendah Bangunlah dan]
闘巡艦「ラー」 [トゥンジュカンラー Tunjukkanlah]
嘉作や~ん ムー! [カサクヤーンム Kesaktianmu]
ここで、脱線だァ!
昔、「青春の城下町」で大ヒットを飛ばした梶光夫という歌手が歌って少しヒットした「かわいいあの娘(こ)」というインドネシアの歌があった。
歌詞のほとんどは日本語だったが、一部はインドネシア語の歌詞だったんだ。
♪野山に咲く にゃんぷーにゃん
と聞こえたが、実際はそうではなかった。
♪ノナ マニス シアパ ヤンプーニャ(Nona manis siapa yang punya)
「モスラの歌」の歌詞も、これと同じインドネシア語なのだ。
インファント島の住民は、インドネシア語を話していたんだね。
はたしてモスラは、酔っぱらったゴジラの襲撃をかわして、巨大ガに大変身できるのか。
みんなのエールがあれば、うまくいくよ。
では、みなさん、ごいっしょに!
「モスラや、モスラ!」
(城島明彦)