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2020/08/10

「痴」になるな! 「知」の老化は年齢ではなく、「学び」を止めたときから始まる

福沢諭吉と渋沢栄一の生き方がすごい!  猛暑の夏、コロナの夏は、読書がおススメ! 

 

 子どもは、好奇心が旺盛だ。

 知らないことがいっぱいあるから、知ろうとする。

 本能のようなものだ。

 一つのことを知っても、次から次へと疑問がわいてくる。

 そうやって、いろいろな知識を身につけ、生き方を学んで成長する。

 

 しかし、だんだん大人になると、小馬鹿にされまいとして、知ったかぶりをするようになる。

 西郷隆盛は、そうじゃなかった。

 自分が知らないことは知らないといい、たとえ相手が年下の者であっても、そのことに詳しい者に教えを乞うた。

 

 「あの西郷さんが、わざわざ自分の家を訪ねてきたので驚いた」

 と、渋沢栄一もいっている。

 

 年を取ると、知識欲が弱まってくる。

 そうなったら病気だ。

 「痴」は「知」の病気だ。

 生きていくのに必要な「知識」や、それを考える「知性」が失せたら、「痴呆」になる。

 

 「学問の神様」といえば、菅原道真の名が浮かぶが、明治維新以後は福沢諭吉だ。

 道真は、自分を太宰府へ左遷した政敵を呪い殺したので、神様として祭られた人だ。

 福沢は、政敵を呪い殺したりはしなかったが、家老の子は馬鹿でも家老になり、足軽の子は賢くても足軽でしかないとする「門閥制度」を「父の敵(かたき)」といい、そういう制度を打倒するために、勉学に励んだ人だった。

 福沢は頭の切り替えが早い人でもあった。「蘭語」(オランダ語)を学んできたのに、横浜へ行って「英語」の重要性にきづくと、ゼロから英語を勉強し、ツテを頼って幕府の軍艦「咸臨丸」(かんりんまる)に乗せてもらって渡米した。

 福沢には「当たって砕けろ」という一面もあったのだ。

 

 渋沢栄一は、『論語』をバイブルとして600社近い会社の創設に関わったので、「近代資本主義の父」といわれている。

 一方、福沢は、『論語』が大嫌いで、日本の近代化を促進するには、『論語』に代表される「漢学」を否定し、先進の「西洋の学問」を学ばねばならないと考え、『文明論之概略」や『学問のすゝめ』などを書いて、大衆を啓蒙した。

 

 福沢は武士の出だが、渋沢は農民の出福沢は教育界で活躍したが、渋沢は実業界で活躍するなど、まるで違っていたが、2人の人生をたどっていくと、共通する考え方や生き方がわかってくる。それは何だったのか。

 ――さて、そこから先は、最新刊の拙著『福沢諭吉と渋沢栄一』(青春出版社)をお読みあれ!

 

 私は、先月で74歳になったが、その3カ月前に『武士の家訓」(カンゼン)を上梓し、この7月には前記の『福沢諭吉と渋沢栄一』を上梓した。

 福沢諭吉と渋沢栄一の生涯を対比して論じた本は、過去に一冊もないと、胸を張りたい。

 年を取っても、まだまだ自分の「知」は健在であるといいたい。

 だが、「痴」に陥らずに「知」を健全に保ち続けるには誰かの助けがいる

 家族、友人、知人などのアドバイスやアイデアは、貴重だ。

 当初、私は、福沢は福沢、渋沢は渋沢と考えて動いていたが、名編集者の発想で〝異質の2人を合体させる〟ことになったのだ。

 

 自分は「痴」になりたくないと思ったら、いくつになっても「学び続ける」という「気力」と「努力」が必要だ。

 私は、前記の2冊の前に、別のテーマで2冊分の原稿を書いているが、これは無念にも本にならず、落ち込んだ。

 だが、世の中には、捨てる神あれば拾う神あり。

 目をかけてくれる人がいたから、別のテーマに切り替えて挑戦することができた。

 

 人生百年といわれるようになった昨今、巷にはジジババがあふれかえっているが、健康にだけ気を配って生きている者が多いのではないか。

 人間、死ぬまで挑戦だ。

 言うは易く、行うは難(かた)し。

 人目にさらされ、評価を受けるような仕事をしないと、単なる自己満足で終わる。

 テレビ、新聞、ネット……知らず知らずの間に「受動脳」になってはいないか?

 自分の頭で考え、自分の言葉で表現し、自分独自の分析をして結論を導き出す努力を怠ってはいないか?

 「能動脳」へと駆り立てているか?

 ――そういうことをいつも考えていると、「知」は衰えず、「痴」には陥らないのではないか、と私は考えている。

 

 「生涯の学び」をテーマにした新書『福沢諭吉と渋沢栄一』は、慶應義塾の卒業生・在校生だけでなく、大隈重信と福沢の関係についても述べているので、早稲田の卒業生や在校生にも読んでもらいたいと欲張りなことを思っている。

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   喫茶店でコーヒーを一杯飲んだつもりで読んでいただきたい(定価990円)。必ず発見があるはずだ。

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 『武士の家訓」は、3年ほど想を練り、今年の4月に刊行された。「ああすればよかった」「こうすれば、失敗しなかった」と気づくのは人生の終わりが見えてきたときだ。「死ぬか生きるか。子供が失敗しないように、自分が命がけで身につけた知恵や処世術を、短くわかりやすい言葉で箇条書きに記し、子どもや孫たちに教えたい」という切実な思いがぎっしり詰まっているのが、武士の家訓である。わかりやすい現代語訳にしたので、ぜひ読んでいただきたい一冊だ。

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 『吉田松陰「留魂録」』は松陰の遺書「留魂録」を軸にした吉田松陰論。『考証 西郷隆盛の正体』は偉人西郷隆盛論で、それ以外は歴史的名著の現代語訳だ。

 上記8冊の拙著は、私が65歳以降に書いたものである。( これら以外にも、『世界の大富豪』のようにジャンルの異なる著書も何冊かある)

 本ブログを目にされた高齢者の方々は、「こんな奴(私のこと)にできるのだから、自分にもできないわけがない」と思って、自分の得意な分野で、もう一花(ひとはな)も二花(ふたはな)も咲かせていただきたい。

(城島明彦)

 

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