すわ、コロナか!? 熱を出して寝込んだ!
年寄りの冷や水、冷や飯、冷や奴、「冷や風(かぜ)」に〝注意警報〟発令中
ほかでもございません。
先週のことでございました。
体の様子がいつもと違って感じられたのでございます。
額に手をやってみますと、やや熱い感じがいたしました。
その刹那(せつな)でございます。
――すわ、コロナか。
という思いがジェット気流のような速さでわたくしの全身を駆け抜けたのでございます。
心当たりがなくはございませんでした。
その二日前にマスクをせずにスーパーへ買い物に参ったのでございます。
家を出るとき、一度はきちんとマスクをして出たのでございますが、五十メートルばかり歩いたところで、財布を忘れていることに気づき、引き返したのでした。
もうお分かりかと存じます。
改めて家を出るときにマスクを外してしまったのでございます。
スーパーに入ってみますと、マスクをしていないのは、わたくし一人でございました。
そのとき、わたくしの頭に不埒(ふらち)な考えが浮かんだのでした。
――全員がマスクをしているのだから、移るわけがない。
不遜(ふそん)にも、そう思ったのでございます。
わたくしが熱を出して寝込んでしまったのは、そういう理由からでございました。
体温を計ってみましたところ、七度三分と表示されました。
――きわどい。
そう思いながら、熱さましの薬を二錠服用し、床に就いたのでございます。
――おいらも、コロナで逝くようだな。
などと思っているうちに睡魔におそわれたのでございます。
締め切りが迫っている書きかけの原稿のことが気がかりなのに、体も頭も心も非情です。
眠り落ちていくわたくしの脳裏に浮かんだのは、なさけなくも、
――睡魔に落ちて、すいません
というダジャレでございました。
それから二日ほど、微熱が下がらず、体がだるく、寝ても寝ても寝たらない状態が続いたのでした。
その間、床を離れたのは、ありあわせのもので軽食を取るときとトイレタイムだけでございました。
「酔生夢死」(すいせいむし)という言葉が、繰り返し、頭を駆け巡りました。
ダジャレばかりいっている習性は、おそろしいものでございます。
そのつど、「水生虫」(すいせいむし)という言葉がとともに、ゲンゴロウやらヤゴやらが頭に浮かんで消えていくのでした。
眠っているのか起きているのか、よくわからない状態で、さらに二日が過ぎたときでございました。
――さむっ。
顔に当たる風を不審に思い、カーテンを開けてみると、
――窓が、開いている! ま、マドンナ!
わたくしは、ふらふらと起き上がり、別の部屋を覗いてみると、そこも同様になっていたのでございます。
――夜も昼も、風が吹き抜ける部屋で眠り続けていたとは……
風邪をひくのも当たり前、というお粗末な一席でございました。
吉永小百合とマヒナスターズの「寒い朝」の歌詞が、まるで一陣の突風か何かのように、わたくしの左耳から右耳へと吹き抜けていったのは、そのときでございました。
〽北風吹きぬく 寒い朝も
心ひとつで 暖かくなる
どうぞ、みなさまも、気のゆるみにはお気をつけくださいますように!
(城島明彦)
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