コロナで混迷する今、人生のバイブル「武士の家訓」から生き抜く知恵を学ぼう!
「こう生きるのが正しい!」と親が教えないで、誰が教える!
拙著『武士の家訓』の【企画意図】は、次のようである。
高視聴率を誇る米倉涼子主演のドラマ「ドクター-X」の決めゼリフ「私、失敗しないので」が受けているのは、失敗する人が圧倒的に多いからでもある。一方、NHK「チコ〟に叱られる」では、「ボーッと生きてんじゃねーよ!」の名セリフが大受けだ。
人生のあらゆる局面で、わかっているようで実は知らず、そのせいで失敗してしまうことが案外多い。だから、教えが必要。それには〝渡る世間の究極のバイブル〟のような「武士の家訓」がベストではないか。なぜなら「武士の家訓」は、数えきれないほどの人生の修羅場を潜り抜けてきた戦国時代の君主や武士が、自身の最期が近づいてきたときに、何も知らずにボーッと生きている後継ぎのわが子や家臣に遺した究極の教えであり、手っ取り早く理解できるように、短く箇条書きにしてあり、わかりやすい。
したがって、数多く比較しても煩雑にならず、例えば「第一章の第一節」(志と友情と学問と家訓)だけでも以下の家訓・遺訓を引用している。「早雲寺殿廿一箇条」「加藤清正家訓」「加藤清正家訓」「貝原益軒『養生訓』」「伊勢貞丈(さだたけ)家訓」「本多忠籌(ただかず)壁書」「和田政勝家訓」「渡辺崋山『心の掟』」「石川丈山家訓」「武田信玄家法」「松平定信『松平少将定信訓誡』『楽亭壁書』」「佐藤一斎「言志四録」(『言志録』『言志後(こう)録』『言志晩(ばん)録』『言志耋(てつ)録』)「吉田松陰『留魂録』『講孟余話』」など。また、『論語』『礼記(らいき)』『孟子』『實語経(じつごきょう)』『童子教」『晏子(あんし) 春秋』『日本書紀』『古今著聞集』などからの引用もある。
そこに込められた教えの数々は、単なる「机上の学問から得た空理空論」ではなく、常在戦場という切羽詰まった状況のなかで体得した「生き残るための知恵であり処世術」であるがゆえに、底知れぬ説得力があり、時代を超えて今の時代にも活きてくるのだ。
新興企業に吸収合併された名門企業の例は数えきれず、「滅ぼすか滅ぼされるか」「生き残るか死に絶えるか」といった苛烈な「戦国乱世」の様相を呈しているが、人も同じだ。そんな時代にはボーッと生きていたら生き残れないし、「どう生きるか」「どう勝つか」といった生ぬるい生き方では勝ち残ることが難しく、「何としても生き抜く、勝ち残る」といった不屈の決意・決死の覚悟が必須となる。だが、そんなことは誰も手取り足取して教えてはくれないから、『孫子』のような数千年も昔の古典が時代を繙いたりする。
その数は膨大で、箇条書きしてあるとはいえ、内容やテーマはバラバラで、例えば伊達政宗の家訓がどうなっているかはわかるが、同じテーマで他の戦国武将がどう考えていたかはわからない。そのため、テーマ別に個々の家訓を比較検討するという作業は骨が折れるので、そういう捉え方で書いた本はこれまで皆無である。
そういう障壁をクリアしたのが本書で、テーマに合致した「武士の家訓」のなかの項目をピックアップして比較検討した。つまり、「学問のしかた」とか「友人選び」といったテーマ別に戦国武将たちがどういう家訓を残したかという角度で比較対照する形で書いたのだが、そのようにした本は過去に1冊もないことに数年前に気づいた。というわけで、大げさな言い方をすれば、(私の知る限り)「日本初」ということになる。
【主なセールスポイント】
①これ1冊で、家康、信玄など何百人もの戦国時代の名将の家訓の教えが身につく。
②「武士の家訓」を個別に紹介した本(名言集のたぐい)は過去にもあるが、あらゆる家訓を「学問」「交友」「読書」といったテーマ(項目)別に分類・詳述した本格的な読み物は存在せず、本邦初。読者に新鮮な印象を与えるのではなかろうか。
②遠い昔の教訓ではなく、現代につながる教訓としての接点を重視。読んで面白く(エンターテインメント)、心打たれ(感動)、ためになる(修養)内容とした。
③武士の家訓に関わりのある中国古典の名著(『論語』『孟子』『菜根譚』など多数)の教えにも「広く」「深く」「濃く」「わかりやすく」言及しているので、ためになる。
④主な読者対象は「自分を高めたいと思っている前向きな人」「仕事や生き方に悩んでいる人」などで、年齢不問。自己啓発に限らず、若者には人生論として、また時代小説ファンも必読だ。
⑤企業の新人研修・管理職研修のテキストにも適していると思う。
⑥読者の役に立つと思われる家訓は太字に。
⑦引用した武士家訓は100を優に超える ※『武士道家訓集』(明治39年発行)『日本教育文庫 家訓篇』(明治43年発行)記載の家訓原文を中心に「早雲寺殿廿一箇条」「今川壁書」「信玄家法」「信玄家訓」「朝倉敏景十七箇条」「「長曾我部元親百箇条」「加藤清正七箇条」「鳥居元忠訓誨」(武士の本懐)「黒田如水教諭」「黒田長政家法」「伊達政宗壁書」「本多忠勝家訓」「武家諸法度」「藤堂高虎教誨」「井伊直孝教訓」「土井利勝遺訓」「島津家久訓誡」「島津綱貴教訓」「阿部忠秋教訓」「徳川宗治家訓」「保科正之家訓」「石川丈山家訓」「池田光政訓誡」「徳川光圀教訓・壁書」「貝原益軒家訓」「細川家訓」(熊本家訓)「細川重賢教令」「田安宗武童家訓」(誨蒙返言)「島津斉彬家訓」「中井竹山家訓」「上杉鷹山家訓」「上杉鷹山壁書」「松平楽翁示訓・楽則・楽戒・楽亭壁書」「酒井忠進家訓」「徳川烈公壁書「鍋島閑叟訓示」「西郷南洲遺訓」「毛利元就遺訓」ほか。 ※別途、佐藤一斎『言志四録』等も引用。
(城島明彦)
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