コロナ騒動の今、日本人に必要なのは「信長を改心させた言葉」
心に問いたい「死んで信長を諫めた平手正秀の遺言」
若い頃の織田信長は、礼儀知らずで、勝手気ままに振る舞い、遊びほうけていた。
子どもの頃から教育係だった平手正秀(ひらてまさひで)が、いくら注意しても聞く耳を持たず、父親の葬儀にもだらしない恰好をして現れただけでなく、家臣や見物人が注視しているなかで、抹香つかんで投げつけるという振る舞いに及んだため、平手は、信長宛の遺書を残して「諌死」(かんし)するという最後の手段に訴えた。
諌死とは「死んで諫(いさ)める」ことだ。
平手が命と引き換えに信長を諫めた注意点は、
「わがままを改めること、礼儀を知ること」
「無欲になること、依怙贔屓(えこひいき)をしないこと」
など5つあった。
残る2つの一部を現代語訳すると、
一、いつも正しい心を持ち、人々の手本となるようになさることです。そうでなければ、義の心は生まれません。
心底からそういう思いにならずして、どうして天下国家を治めることができましょうぞ。
一、人を見る目を養ってください。いいたい放題が世間の常です。世間の人は適当にいうでしょう。
関心のある向きは拙著『武士の家訓』をぜひご一読くださいますように――。宣伝めいてあさましい限りだが、決して損はさせませんぞ!
(城島明彦)
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