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2020/05/13

コロナ騒動の今、日本人に必要なのは「信長を改心させた言葉」

心に問いたい「死んで信長を諫めた平手正秀の遺言」

 

 若い頃の織田信長は、礼儀知らずで、勝手気ままに振る舞い、遊びほうけていた。

 子どもの頃から教育係だった平手正秀(ひらてまさひで)が、いくら注意しても聞く耳を持たず、父親の葬儀にもだらしない恰好をして現れただけでなく、家臣や見物人が注視しているなかで、抹香つかんで投げつけるという振る舞いに及んだため、平手は、信長宛の遺書を残して「諌死(かんし)するという最後の手段に訴えた。

 諌死とは「死んで諫(いさ)める」ことだ。

 

 平手が命と引き換えに信長を諫めた注意点は、

 「わがままを改めること、礼儀を知ること」

 「無欲になること、依怙贔屓(えこひいき)をしないこと」

 など5つあった。

 

 残る2つの一部を現代語訳すると、

 一、いつも正しい心を持ち、人々の手本となるようになさることです。そうでなければ、義の心は生まれません。

   心底からそういう思いにならずして、どうして天下国家を治めることができましょうぞ。

 一、人を見る目を養ってください。いいたい放題が世間の常です。世間の人は適当にいうでしょう。

 

 関心のある向きは拙著『武士の家訓』をぜひご一読くださいますように――。宣伝めいてあさましい限りだが、決して損はさせませんぞ!

 (城島明彦)

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