新型コロナウィルス問題で、東京五輪は「1年延期」の特例が妥当!
「日本では沈静」でも「全世界で絶滅」までいかないと無理
▼今回の「新型コロナウィルス蔓延事件」は、日本が「危機管理」をどう考えているかの試金石だ!
新型コロナウィルス蔓延事件では、政府・厚労省の打つ手は後手後手となり、国民批判の矢面に立たされた。
そういう失敗をしていながら、同じ失敗を五輪対策でも犯そうとしている。
危機回避のためには「メンツ」も「ゼニ」も関係ないと、JOCはなぜ思わぬ!
早めに行動を起こしてIOCに働きかけ、「中止ではなく、1年先送りの緊急措置」を約束させないと、オリンピック史上に大汚点を残すぞ!
▼歴史は語る! 「危機管理を軽く見て失敗したツケ」は途方もなく大きい
①過去の実例……福島原発事故
東日本大震災の福島原発事故では、「想像を絶する大津波など来るわけがない」と軽くみた東京電力や国の危機管理の考え方が、ありえない被害規模をと生んだ。
②今回にどう生かすか……「人の命は地球より重い」をどう考えるかが問われるケース
東京五輪に対するJOCの「危機管理」意識は、軽薄きわまりない。起こりうるあらゆる危機的場面の想定や最悪の可能性をネグレクトして、「折角ここまで来たのだ。どれだけ金を使い、どういう苦労をしてチケットを販売してきたことか。中止にされてたまるか。新型コロナウィルスで一人や二人死んだってどうってことない。強行突破あるのみ!」と考える保身的で危険極まりない自己中心的な〝軽薄な損得勘定〟が先に立っている。
▼危険がいっぱい過ぎる「強行! 五輪開催」
五輪開催をやめるのではない。リスク回避で延期するのだ。そういう発想がなぜできぬ。そういう勇気がなぜ持てぬ。
チケットの払い戻しなど、小さい小さい。病気にびくびくしながら開催することを思えば、どうということは無い。
延期した方が無難な5つの理由
【理由1】 半年やそこらでウィルス撲滅とはいかない!
黒死病(ペスト)、痘瘡(天然痘)、エイズなど、過去に人類をおびやかした疫病の歴史が恐怖の教訓を残している。
それらに比べると、新型コロナウィルスは死亡率が低いという理由から「軽視」する日本人も結構いるが、ウィルスが死滅したかどうかが医学的に把握しづらく、再発したケースがみられるなど、「不気味な恐怖」をあおる要素も強い。
医学が進歩したとはいえ、新型ウィルス撲滅には時間がかかる。現時点では、特効薬の開発には1年かかるともいわれているではないか。
【理由2】 アフリカが汚染されたらアウトだ!
南米とアフリカはまだ汚染されていなかったが、ここにきて南米にも飛び火したことが報道された。〝アフリカ感染〟は時間の問題だが、アフリカが感染すると問題が大きい。アフリカには医学的後進国が多く、天然痘の最後の流行地(1980年代)もアフリカだった。
【理由3】 外国から来る保菌者の観客を完全にはシャットアウトできない!
五輪目的で入場チケットまで買って来日する感染国に居住する外国人を「水際作戦」の名目で追い返せるのか?
保菌者でも発症していない者が税関をすり抜けたら、どうなるのか?
【理由4】 世界規模での「新型コロナウィルス絶滅」でない限り、開催は無理だ!
日本が、あと五カ月間で懸命に流行を沈静化させたとしても、世界の国々のどこかでまだ流行していたら、開催は無理。
そういう状態で、開催を強行すれば世界中から批判の嵐が巻き起こる。
【理由5】 WHOの「絶滅宣言」が出ない限り、観光客は敬遠する!
日本では沈静したといっても、WHOの「絶滅宣言」が出ない限り、五輪+観光目的の外国人は来たがらない。
ガラガラのスタンドにいる観客は日本人だけというみっともない光景は「日本の恥」。
目先の利益だけを狙ったJOCや日本の政府の安易な打算は、「世界の物笑い」となる危険性が高い。
【追記】 上記の記事をup後、欧州およびイランに近い「アフリカ」の国の一部が汚染されたとの報道があった。いよいよ、世界地図は〝新型コロナウィルスの汚染色〟一色に塗りつぶされることが決定的となった。〔2月27日20:57記]
(城島明彦)
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