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2020/01/16

世代交代がはっきりしてきた大相撲! 白鵬の休場は自業自得だ

朝乃山はどこまで強くなれるか? 遠藤は大関を狙えるか?

 

 ここ数場所、大相撲の世代交代がじわじわと進んできた。

 大相撲の頂点に君臨してきた白鵬、鶴竜の両横綱に体力の衰えが見え、休場する場所が増えた。横綱だけの特権を利用して負けが先行すると休場し、体力を回復して次の場所に臨むというくり返しは、もはや末期的な現象だ。

 

 今場所(令和2年初場所)の白鵬の休場に、ほっとしている相撲ファンは少なくないのではないか。観ていて不愉快な張り差しや顎を狙ったかち上げを見なくて済むからだ。

 

 場所前に、稽古中にダメ押し(相手が土俵を割って勝負がついたのに、胸を突くなどする行為)をしたのが原因で石浦が殴り合いのけんかをしたと報じられたが、張り差しや顎へのかち上げにしても同様。やられた力士は間違いなく不愉快になるのだ。

 しかし相手が横綱とか大関となると、腹が立っても、がまんする。そういうことなのだ。

 それをいいことに、張り差しや顎へのかち上げを連発してきたのが白鵬なのである。つまり、一種のパワハラである。

 そんな横綱が休場すれば、自業自得だと思うファンがいても何の不思議もない。

 白鵬や鶴竜は、もう充分やった。やり尽くしたといってもよい。露骨な言い方をすれば、彼らが引退しても相撲人気は落ちない。それどころか、逆に盛り上がるだろう。彼らの時代は、終わったのだ。彼らのお役目は、もう済んだのだ。

 

 

 栄枯盛衰は世の習い

 

 豪栄道、栃ノ心、琴奨菊……かつて場所を盛り上げた力士は衰退期を迎え、貴景勝、朝乃山、北勝富士、阿炎、大栄翔といった新興勢力が台頭してきた。高安、御嶽海も横綱候補とされたが、波があり、盤石の強さを見せつける存在にはなっていない。 

 そんななかで、舞の海をほうふつさせる小兵力士の炎鵬があんこ型の大型力士を土俵に転がすのは、観ていて気持ちがいい。炎鵬の姿を見て、鶴ヶ峰、鷲羽山、寺尾らが活躍していた時代を知っている高齢者たちは大喜びだ。しかしながら、栃ノ心に釣り出されたり、大型力士に押しつぶされたりするのを見ていると、同情心ではないが、気の毒なような気もしてくるから不思議だ。

 

 柔道とか相撲のような日本の国技の醍醐味は「小よく大を制す」点にあったが、力士の大型化が進み、巨体でなければ勝てないような傾向になっている。

 ところが、肥満しすぎて動きが鈍くなり、腰や膝を痛めたり糖尿病などを患って陥落していく力士があとを絶たなくなった。序二段まで落っこちて、今場所十両まで上がってきた照ノ富士がいい例だ。横綱も狙えるといわれていた逸ノ城も、いつのまにか十両にいる。

 

 最注目株は朝乃山だ。まだ関脇だが、横綱のような堂々たる取り口をするから、負けても観客は惜しみない拍手を送るし、早く大関や横綱にしてやりたいと思う。

 下位力士相手に何番も取りこぼすようだと横綱への道は遠いが、どっしりと安定した取り口で勝ち星を重ねるなら支配も抱けるし、大関昇進も早く、横綱へも一気に駆け上がれる可能性がある。

 

 貴景勝も横綱候補と目されているが、朝乃山の方が早く横綱になるのではないか。貴景勝は、押しに徹することを決めたそうだが、押しだけでは大関止まりだ。猪突猛進をひょいと交わされたら簡単に負けるというのでは、綱は張れない。運よく横綱になったとしても短命に終わることは相撲の歴史が証明している。

 

 遠藤 は、大けがをしていなかったら、当の昔に大関になっていたが、怪我が完治したからか、先々場所あたりから急に強くなった印象を与える。ケガをしても休場せずに出続けたのは〝遠藤流の美学〟だったのだろう。その結果、負け続けて十両あたりに陥落していてもおかしくなかったが、踏ん張ってきた根性は見上げたもの。今場所2横綱を連続撃破したのはまぐれではない。

 遠藤は、勝っても負けても表情を変えない。その点も高く評価できる。力士は、こうでなくてはいけない。今場所何勝できるか。大勝ちするようだと、大関も夢ではない。現在30歳という年齢が気になるが、真面目な土俵態度、正攻法の取り口も好感が持て、一度は優勝させてやりたくなってくる。奮闘して早く大関になってもらいたいものだ。

 

 北勝富士も調子がいいが、来場所も再来場所も強いようなら、大関は早いかもしれない。さあ、どうなりますか。

(城島明彦)

 

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