我、老いたり――1日が過ぎていく速さを実感する日々
あの世が近づいているのか!?
年をとったと感じるのは、どういうときか。
20代、30代のときではない。
40代、50代でもない。
60代以降の話だ。
若い頃と比べて、無理がきかない。
足腰が弱ってきた。
膝が痛むようになった。
急な坂道を登ると、動悸が激しくなる。
毛髪量が減ってきた。
皮膚が汚くなってきた。
歯が弱ったり抜けたりしてきた。
――いちいち挙げるとキリがないが、これらは肉体的な衰えだ。
御年73歳と完全な老境にある私がしばしば思うのは、そういったことではなく、
「一日が速く過ぎていく」
ということだ。
若い頃は、ゲームなどに夢中になり、ふと時計を見て、
「えっ、もうこんな時間か」
と思った感覚とはまるで違う。
60歳を過ぎたあたりから、時間が速く過ぎていくことを実感するようになった。
特に最近、そう思う。
ワープロに向かって原稿を書くスピードが遅くなったわけではないが、時間が過ぎていくのが速いのだ。
道を歩いていても、レストランで食事をしていても、やはり同じように感じる。
日が短くなった冬の今は、余計そう感じる。
ふと外を見ると、先ほどまで明るかった窓の向こうが真っ暗になっている。
あの世が近づいているのかもしれませんなあ。
♪ あの世はだあれ だれでしょね ってか
頭の中がコンラッズ、山中毅(つよし)がんばれ、コンラッズを負けるな!
ん? 一体、いつの話をしているのか。ローマ五輪の水泳で銀メダルや!
チクタク チクタク ボ~ンボ~ン 煩悩よ去れ!
(城島明彦)
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