白鵬はまともな立ち合い、まともな取り口で隠岐の海を破った
この勝ち方が普通の横綱の勝ち方――「力の衰えは感じられても、さすが横綱」といえる
大相撲九州場所の4日目(11月13日)、白鵬は、身長・体重、体つきの似た隠岐の海と対戦した。
がっぷり四つに組んだが、隠岐の海にもろ差しとなられ、土俵際で上手投げを打って勝った。
上手投げと下手投げの打ち合いとなった場合は、下手投げの方が有利だが、隠岐の海は全力を出し切れず、わずかの差で白鵬の上手投げがまさった。薄氷を踏むとまではいかなかったが、こういう勝ち方であってもいいのだ。
全盛期なら簡単にもろ差しを許さなかったが、体力が衰えているのだろう。圧勝とはほど遠い勝ち方だったが、それでも勝つのが横綱なのである。
「横綱の品格」とは何か!?
「張り差し」や「かち上げ」を繰り返すことではない。
立ち遅れても「待った」をしないで、受けて立つ。
全盛時のような馬力やスピードや怪力などは影を潜めたが、それでも勝つ。
非の打ちどころのない横綱相撲が取れなくても、たとえ悲壮感が漂う取り口になったとしても、黒星は喫しない。
負けそうで負けない。
鍛え方が違う、これまで積み重ねてきた稽古の量が違う、と観客は思う。
15日間堂々と戦って何番か負けたとしても、言い訳はせず、千秋楽が終わってみれば優勝している。
土俵を離れても、人格者として言動に気を配る。 など。
それが真の横綱であり、その姿はどこか神々しくさえ感じられる。
「横綱の品格」というのは、そういうことが備わっている横綱を指す。
真の相撲ファンは白鵬に求めているのは、そういう横綱の姿だ。
白鵬には、このことを知ってもらいたい。
今日4日目の取り口は、まともな相撲だったが、明日以降はどうか?
(城島明彦)
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