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2019/08/28

勝っても表情を変えず! 「アスリートのお手本」を示した柔道の大野将平

勝つごとに絶叫する馬鹿は、「武道は礼に始まり礼に終わる」の真の意味を学べ

 

 昨日(827日)の「2019年柔道世界選手権」では、大野将平が73キログラム級でぶっちぎりの強さをみせて金メダルを取ったが、勝っても感情を押し殺した表情で深々と礼をする彼の姿は、素晴らしかった。

 勝っても表情を変えない。ガッツポーズなど、もってのほか。

 日本選手はこうでなければならない。

 

 大相撲でも、引退した豊真将(ほうましょう)は、勝負に負けたときも深々と礼をしていた。

 引退した横綱稀勢の里は、勝っても表情を変えることはなかったし、賞金を受け取るときも同様だった。その理由を問われると、いつもこう答えていた。

「勝っても表情を変えるな、と親方に厳しくいわれていたから」

 

 稀勢の里の師匠は第59代横綱隆の里(先代鳴門親方)。努力と忍耐の人で〝おしん横綱〟といわれたが、力士の土俵上の態度には厳しかった。

 

 勝っても表情を変えるなというのは、眼の前にいる破れた相手に非礼にならないようにとの配慮からだ。それが武道の基本である。

 武道は武士道や大和魂につながるが、それ以前の「人としての礼儀作法」が、「勝っても表情を変えない」ことなのだ。

 

 これが身についていない代表格が白鵬だ。

 勝負が決まっているのに、ダメ押しして相手を突き出すわ、受け取った賞金でガッツポーズをするわ、優勝でもしたら舞い上がってマイクを手にして観客に「万歳」をうながわ、礼儀作法がなっていない。

 こういうことをやっている間は、どれだけ優勝しても、真の名横綱とはいえない。

 

 勝負事は負けることもある。自分が負けたときに、相手が絶叫したり、大げさなガッツポーズをしたら、どういう気持になるか。

 そういうことを考えたら、いちいち雄叫びをあげたり、ガッツポーズを見せたりなど、できないはずだ。

 アスリートに求められるのは、「克己」だ。

 克己とは、「自分に勝つ」ことだが、同時に「相手への思いやり」や「礼儀」も伴わなければならない。

 来年の東京五輪では、日本古来の礼儀作法にのっとった試合を見せてくれ!

 

(城島明彦)

 

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