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2018/02/24

「そだね」が北海道の方言だったとは!?


「そだね、ピーちゃんだね」と、昔、犬と話すときに使っていた

 カーリングなる氷上競技をはじめて目にした人は、例外なく驚くのではないか。
 私もそうだったが、何度見ても驚いてしまう。
 どう考えても、動作がおかしい。
 投げる動作そのものも奇妙だし、あのモップ掃除のような動きもそう。

 それに、女子選手の叫び声も妙だ。
 選手がつけているピンマイクを通して、
 「いいよ」
 とか
 「完璧」
 といった言葉とか
 「~だよ」
 という末尾だけは、時折、聞き取れたが、それ以外の日本チームの掛け声や指示は、何をいっているのかは、これまで、まったくといっていいほどわからなかった。

 ところが今回、
 「そだね」
 といっていることが報道されたので、もっと驚いた。


日韓戦中継を最後まで見てしまった

 もう10数年も前のことになるが、家で飼っていた犬(ヨークシャーテリア)が、小さかった頃に、押さえるとピーピー鳴るおもちゃで遊ぶのが大好きで、いつも噛みついたりしてピーピー鳴らしていた。
 それを見て、そのおもちゃに、
 「ピーちゃん」
 という愛称をつけていた。

 ところが、犬は、ストレス発散の意味もあってか、それを口にくわえてブン回すので、勢いよくどこかへ飛んで行ってしまうことがよくあり、運悪く、自分では取れない場所に飛んでしまうこともたびたび起こった。
 
 ヨークシャーテリアは小型犬なので、高いところへは飛び乗れず、ワンワン鳴いてそれを取ってくれと催促した。
しかし、催促していることにすぐに気づいたわけではない。

 犬が遊んでいる様子を、四六時中、観察しているわけではないので、最初のうちはなぜ吠えるのかがよくわからず、食事を与えたりおやつを与えたりしたが、それらには見向きもせずに吠えることから、やっと「ピーちゃんを探してくれ」と催促していることに気づいた。

 で、以後、そうだとわかったときには、探しだして、
 「ピーちゃんだね」
 といって渡すと、喜んでくわえ、ピーピー鳴らして遊ぶので、それを見て、
 「そだね、ピーちゃんだね」
 と犬に語りかけるようになったのだ。

 ――そういうことを、北見出身女子で構成されたカーリング競技の日韓戦を見て思い出したというわけだ。

 私は三重県出身だが、三重言葉(伊勢言葉)に「そだね」はないので、どうしてそういう言い方をしていたのかは自分でもよくわからないが、カーリング女子の今回の健闘を見て、ずっと忘れていた愛犬との思い出がよみがえり、感慨にふけったのだった。
 その犬の遺骨は今も書棚に安置してある。

(城島明彦)

2018/02/12

デタラメもほどほどにせんかい、NHK! 「西郷どん」は妄想漫画か? 空想劇画か? 


「糸の年齢詐称」など前代未聞設定、多数! 目に余る〝ご都合主義の極致ドラマ〟

 「ひどか! 視聴者を小馬鹿にした妄想ホームドラマばい」
 と、鹿児島弁をまねて酷評したくなるのが「西郷どん」だ。

 明治維新150年という年の大河ドラマに西郷隆盛を持ってきた点は大賛成だが、いかんせん、ドラマの中身が漫画風でチャラい、チャラすぎる。

 「NHKは、女性視聴者向けと思えるドラマを別の時間帯で次々と流している。
 それなのに、NHK大河ドラマまで恋愛ドラマにするつもりなのか」
 という不満もある。

 日本を近代化した代表的人物である西郷隆盛を主人公にしたのなら、もっと日本という国の歴史の大転換期の根幹にかかわる骨太のスケールの大きなドラマにすべきではないのか。

 西郷家のチャラチャラしたホームドラマまがいのストーリーに失望している視聴者は多いのだ。


「西郷隆盛と岩山糸の恋愛ありき」が最大の元凶問題

 原作を読んでいないし、読む気にもならないから、原作者の林真理子がどう描いたのかは知らないが、脚本の下敷きとなるような事実無根のデタラメな描き方をしたら、林真理子の作家としての資質を問われる。

 NHKの主張なのか、脚本の中園ミホの主張なのかはわからないが、
 「糸と西郷には恋愛関係があった」
 と、どうしてもしたいという思惑がドラマのあちこちに見え隠れする。

 そのために、西郷隆盛と糸の年齢差を極端にごまかし、糸が最初の結婚をする前は「西郷のことを好きだった」という設定に持ち込んでいる。

 糸と西郷との年齢差は16歳くらい離れているので、西郷が最初の結婚をする26歳のときには、糸は10歳前後の少女でしかない。
 それなのに「西郷どん」では、数歳下の娘として描かれている。

 「ええかげんにせんかい、チェスト!」
 と、思わず一喝したくなる。


大河ドラマ最大の汚点となった〝糸の年齢詐称設定〟

 西郷隆盛は生涯で3回結婚している。
 ①最初の相手は、西郷家より身分が上の武士の娘。伊集院須賀という美女。
 ②次に島流しにされた奄美大島で、島娘愛加那(あいかな)と結婚、2子を設けた。
 ③三番目が糸で、この女性はバツイチ。
 
 ドラマでは、西郷と糸を「赤い糸で結ばれていた」とどうしてもしたいがために、年齢までごまかしてしまった。
 いくらドラマだからといって、こんなことが許されるわけがないのだ。

 男の脚本家なら、こういう発想はしない。


ムリが通れば道理がひっこむNHK

 ドラマでは、恋愛関係を重視するために、ムリな設定がまかり通っている。
 大久保利通が糸に恋心を抱いていたという設定もそれだし、2月11日放送の「西郷どん」では、糸が親の進める相手と結婚することになり、橋の上で西郷に「好きだった」と打ち明けさせるという無茶苦茶なドラマにしていた。

 この回のドラマでは、西郷にも嫁をもらう話が出たことになっている。
 西郷が伊集院須賀という女性と結婚するのは26歳(1852年/嘉永5年)のことなので、そのとき糸は10歳くらいの少女である。
 西郷と糸の年齢差は15、16歳あるのに、大河ドラマでは数歳ぐらいしか違わない設定になっている。その結果、西郷隆盛が13歳のときに喧嘩して右腕に大けがを負った年に、まだ生まれていないはずの糸が炒っぱな少女としてドラマに登場し、西郷と話をしたりするのだから笑止千万というしかない。

 「大学の先生が時代考証を担当していながら、こんなことを許していいのか」と思う視聴者は多いはずだ。
 「西郷どん」の時代考証担当はNHKに厳しくNGを出すべきではないのか。
 私は昔、「西郷どん」の1人である原口泉先生の本を何冊か手伝ったことがあるが、先生のために蛇足的なことをいうなら、西郷関連の本を何冊も出すのは結構だが、ちゃんと自分で書いた方がいいのではないか。


大久保利通と西郷の関係もおかしい

 大久保利通と西郷隆盛は、同じ町内に住む幼馴染ではあるが、ドラマで描かれているように、いつもつるんでいたわけではない。
 有名な「征韓論」をめぐって、二人は対決するが、そのとき大久保利通は謀略をめぐらせ、西郷隆盛を失脚に至らせるのである。

 大久保利通は、島津斉彬(なりあきら)の弟島津久光(生麦事件を起こす)に取り入ろうとして、久光の趣味だった囲碁を習い覚えて接近し、取り立てられるのである。

 のち、西郷隆盛は、自身が鹿児島に創設した私学校生らに担がれて西南戦争の首謀者にされるが、そのときも大久保利通はスパイを放っって西郷の身辺を探らせたり、戦争になってからも、その気になれば幼馴染の命を救えたのに、助けようとはしなかった。

 大久保は、大久保利通は〝策謀の政治家〟であり、カミソリのように切れる〝能吏型の男〟だったのだ。
だからこそ、鹿児島県人は大久保利通が大嫌いなのだ。


空想ドラマか? いや、妄想ドラマだ!

 「西郷どん」第1回の冒頭シーンは、上野公園に建設された西郷隆盛像の除幕式で、そこに糸や隆盛の実弟従道(つぐみち/明治の元勲の1人)らが列席しているで、若い娘(西郷従道の娘とか姪とかいわれている)が幕を引き落とすところだった。

 その光景は事実で、その後、姿をあらわした像を見て糸が、「うちの人は、こんなではなかった」という意味のことを鹿児島弁で口走って物議をかもしたといわれているのも事実。
しかし、そのあと大河ドラマでは、糸は立ち上がって銅像の前に行き、同じセリフを大きな声で繰り返す演出にした。

 糸という女性の性格をきちんと調べたら、人前でそんなことをするような人でないことはすぐにわかるのに、話を面白くするために、ドラマではありえない設定にしたのだ。

 「スポンサーから集めた金で作る民放なら許せても、受信料で作るNHKには許されない」
 というのが私の考え下ある。


斉彬が父に「ロシアンルーレット」で迫る

 お家騒動で、島津斉彬が父親の斉興に家督を譲れと迫る場面で、斉彬は拳銃(ルボルバー)を取り出し、玉を一発だけ込めて、「ロシアン・ルーレット」で決めようと提案し、まず自分の頭にピストルを突き付けて引き金を引く。弾は出ず、斉彬はピストルを斉興に渡す。斉興はおびえてピストルを投げ出してしまう。

 そばにいた側室お由良は、そのピストルを手に取ると、去っていく斉彬めがけて引き金を引く。
 弾丸が飛び出したが、斉彬には当たらなかった。つまり、殺人未遂である。

 話としては面白いが、史実を知らない視聴者は、そういうことが本当にあったのではないかと思ってしまう。
 だが、今日まで残されている島津斉彬関連の歴史的資料のどこにもそのような話は出てこず、NHKと脚本家の妄想以外の何ものでもない。


視聴者をなめきったNHK流ドラマツルギー

 薩摩藩の連中が火縄銃でロシアンルーレットまがいのことをして遊んでいたという資料ははあるが、「斉彬がルボルバーを使ったロシアンルーレットで父親を威嚇した」という話はどこにも出てこない。

 ①「車座になった中央の天井に縄で火縄銃をぶら下げ、火をつけて、縄をねじって放す→火縄銃はグルグル回りながら、やがて弾丸を発射。運が悪いものには弾が当たる」
 という一種の〝禁じられた遊び〟があったというのだ。
 ②当時、薩摩藩は禁じられていた密貿易をやっていたという事実がある。
 ③島津斉彬は、新しいものを取り入れるのに熱心だった。
 ④島津家は、斉彬派・久光派が対立し、「お由良騒動」と呼ばれるお家騒動を起こしていた。

 これらの歴史的事実をミックスして、そこから妄想を働かせるというのが、大河ドラマ「西郷どん」のを貫くドラマツルギー(作劇法)なのである。
 資料に書かれている歴史的事実と歴史的事実の合間を想像で埋めるのが、実在した人物を描く小説やドラマの基本であり、「おそらく、こうであったろう」という理詰めな発想が求められるが、「西郷どん」のように、その人物ではありえないような突拍子もない言動をさせるという発想はご法度である。

 「家督相続をめぐる島津父子の確執」「火縄銃の危険な遊び」「密貿易=西欧の銃器」という3つのキーワードから妄想→「密貿易で入手した拳銃(ルボルバー)で斉彬がロシアンルーレット」という筋書きを思いついたのではないか。

 その前提には、
 「どうすれば話が面白くなるか」
 「どうすれば視聴者が面白がり、視聴率が上がるか」
 との思惑がある。


家族の描き方がワンパターン化

 狭い家の中で家族がワイワイガヤガヤとやりながら、事件が起こり、時代が流れていく。

 ここ何年もNHK大河ドラマを見てきた人なら、坂本龍馬の家族、吉田松陰の家族、そして今回の西郷隆盛の家族の描き方が「ワンパターン化」していることに気づいたのではなかろうか。
 家族のチャラチャラした話を見たい人がどれだけいるというのか。

 「西郷どん」に限らず、それ以前の大河ドラマも、史実無視の妄想的ストーリーをでっつ上げてきた
 要するに、視聴率低下にあえぐMHKの大河ドラマ班が、話をドラマチックにするために、史実をないがしろにして妄想ばかりを膨らませ、「嘘八百」を並べ立てるという手法だ。

 だが、その結果どうなった? どんどん視聴率は下落する一方ではないか。
 どこに問題があるのかわからないほど、NHKはバカなのか。


受信料で作っていることを忘れている!

 「西郷どん」で際立っているのは、手段を択ばない虚妄主義だ。 
 その最たるものが、先述した「糸の年齢サバ読み」だったが、サバ読みやら妄想やら空想やらのでっち上げが随所に見られるのが、「西郷どん」の視聴者離れという致命傷になっていくと私は読んでいる。

 金に糸目をつけず、史実をトコトン調べて実像迫る描き方ができるのはNHKだけではないのか。
 それなのに、方言だけ本物に近づける努力をしながら、歴史的な事実をないがしろにして適当にお茶を濁す演出スタイルを取るなど、受信料で制作しているNHKに許されることではない。

 「他にもNHKのドラマはいっぱいあるのだから、そういうデタラメが許される別のドラマでそういうことをやれ」といいたい。
 こういうことをいう人は、たくさんいる。そのことをNHKはわかっているのか!?


「妄想妄想また妄想のC級ドラマ」に何の意義がある?

 西郷が相撲の御前試合に出場して優勝し、さらには斉彬をも投げ飛ばして勝つという場面もあるが、これも、いくつかの史実を踏み台にした妄想の一例だ。

 ①薩摩藩士は体を鍛えるのに熱心で、相撲でも体を鍛えており、江戸藩邸にも土俵をこしらえ、自分たちで取るだけでなく、力士を呼んで相撲見物をすることもあった。
 ②西郷隆盛は、若い頃の明治天皇と相撲を取って勝ったことがある。そして、西郷が西南戦争で自決したとの知らせを聞くと、明治天皇は「殺せとはいわなかった」といって涙を流したのだ。
 ③奄美大島へ流された時代、西郷は元力士と相撲を取って勝ったといわれている。

 これらを合体させ、そこから妄想しまくって「御前試合」「島津斉彬を投げ飛ばした」というドラマにしたのではないか。

 しかも、「西郷どん」では、西郷の雄姿を見ていた伊集院須賀の父親が、娘を西郷に嫁がせる、などという筋書きをでっち上げた。

 そういうことがなかったとは断言できないが、あまりにも安易で嘘っぽすぎる設定で話を面白くしようとする料簡はいかがなものかということだ。
 明治天皇を投げ飛ばした一件について説明すると、帝王教育の一環としてそうしたのであり、その思いは天皇にも伝わり、天皇は西郷を最も信頼し、愛したのである。

 それにしても、これだけ視聴者を愚弄したドラマが、国民から支持されるとはどう考えても思えないのだが……。

 
 本当の西郷隆盛の姿を知りたい人は、拙著をご一読されたい

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 その他の著書
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(城島明彦)

2018/02/05

天気晴朗なれども、底冷え駿河台(するがだい)


雪雪晴れホレ、雨晴れヒレってか

 昨日の日曜日、ベッドに入ってテレビをぼんやりと見ていたらは、大河ドラマ「西郷どん」が始まる前に眠ってしまい、目を覚ましたら午後11時半頃だった。

 今日は、買っていただいた拙著『考証 西郷隆盛の正体』190冊にサインをしてきた。

 妙な具合に日々多忙であります。

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(城島明彦)

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