貴乃花親方自身の〝診断書〟――取材陣に黙礼してから部屋に入れ!
相撲協会理事長としての資質、ありやなしや
風邪をひいて、ブログから遠ざかっている間に、「貴ノ岩騒動」も変化し、加害者の日馬富士は引退、日馬富士の親方は理事辞任ということになったが、被害者側の貴ノ岩や貴ノ岩の親方である貴乃花親方の情報はきわまて少なく、何が何やらさっぱりわからない状況が続いている。
貴乃花親方が「相撲協会という組織の理事の1人」でありながら、「ゴーイング・マイウェイ」を貫くという、組織を軽視した行動に走ったために批判も増している。
「近い将来の理事長」を目指すのであれば、リーダーシップ(指導力)、統率力、求心力、先見性、情報発信力、カリスマ性といった資質が欠かせない。
しかし、今回の騒動で見せた貴乃花親方の一連の行動からは、それらのすべてに合格点をだすわけにはいかない、と多くの人は思っている。
協調性のなさが問題
独裁者ではないのだから、たとえ少数派でも他者の意見に真摯に耳を傾ける「包容力」や、多数決には歩調を合わせるという「協調性」も、組織のトップに立つ人間には必要不可欠だが、今回の貴乃花親方の言動には、残念ながらそれが感じられなかった。
協調性のない者が組織のトップに立った途端、部下に「協調性」を求めても誰も協力せず、好き勝手なことをするだろう。
「横綱はただ勝てばいいのではなく、正々堂々とした横綱相撲をとらなければならない。土俵の外でも、人として尊敬される立派な言動をとらねばならない」
というのが、貴乃花親方の考える「相撲道」「横綱としてのあり方」だが、この考え方は私のそれと完全に一致している。
だが、親方、理事としての貴乃花の考え方や行動には問題がある。
貴乃花親方が人の上に立とうと思う気持ちがあるのなら、もっと大きな人間にならないといけない。
西郷隆盛から「日本人としての礼儀作法」を学べ
日頃、どれだけ立派なことをいっていても、それが実際の行動に礼反映されていないと、「口先だけ」と受け取られてしまう。
現役時代の横綱貴乃花は「いっていることと実際の行動が一致」していたが、親方貴乃花の礼儀作法はなっていない。
部屋の入り口前に待ち構えるメディアの連中を完全に無視し、無表情で入って行く。
取材を受ける必要はないが、入り口のドアの前で記者たちの方を向いて、申し訳ないという表情で一礼し、それからドアを開け、中に入るだけで、どれだけ印象が違ってくることか。
人気商売をやっている以上、そうするのは当然のことである。
もっと人としての礼を尽くしたいなら、
「申し訳ないが、取材には応じられません」
というだけでもいい。
西郷隆盛は、敵の大将・武将に対しても、相手がたとえ年少者であっても、きちんと正座して挨拶し、その姿勢をずっと崩さず、礼儀正しく接した。
貴乃花親方が、日本の真の相撲道のあり方を追い求めているのであれば、それぐらいのことはしないと、人としての生き方を疑われることになる。
(城島明彦)
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