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2017/10/27

意識不明を救ってくれた見知らぬご夫妻、ありがとう! 衆院選挙投票日に転倒


台風襲撃の大雨の路上で死にかけた顚末

 10月22日の衆院選挙投票日は、さんざんだった。
 投票用紙にある地図を見たのが、そもそもの間違いだった。
 坂道の下の交差点の地名が太い字で記されているのを見て、そこから行くのが一番近道だったのかと思い、いつものルートではない道を選んだのが、その次の間違いだった。

 ところが、そのルートを行ってみると、それまで使っていたルートで要していた時間では着かなかった。
 おかしいと思いながら、台風襲撃による大雨の中を歩き続け、投票所へたどり着くと、そこではなかった。

 アルバイトと思える女の子が、地図を書き込んだ紙を私に手渡し、ここだといった。
 地図を見ると、本来行くべき投票所までの道筋が太線で書いてある。

 その地図に従って進んでいったが、行けども行けどもたどり着かない。
 衣服は上も下もびしょぬれで、気持ち悪いったらありゃしない。

 やっとそれらしい学校を見つけ、入っていくと、そこではないといわれた。
 また歩き出したが、知らない場所へ踏み込んだようで、出合う車も人もなく、だんだん足が疲れてきた。

 広い道へ出ると、おばさんと出会ったので、投票所のある小学校の名前を告げると、この先だと教えてくれた。
 数分でそこへたどりつき、中に入ってみると、地図を渡した女の子がいたので、最初に間違えて入った小学校に舞い戻ったことに気づいた。

 そのとき、ハタと思い当たった。
 なぜプリントアウトした地図が用意してあるのか? 準備万端過ぎるではないか!
 投票用紙に書かれた地図では、間違えて投票に来る人が大勢いると予想していたからではないのか!
 あるいは、その地図は(私は忘れているが)これまでずっと使ってきたものを流用しているのか。
 その結果、これまでの選挙で、間違えてくる人が大勢いたということなのか。
 もしそうなら、なぜ、多くの人が間違えるのか、その原因を選管はなぜ究明しようとしなかったのか。

 いずれにしろ、ひどい地図をつくったものだ。
 ――そう思ったら、無性に腹が立ってきて、その女の子に「デタラメな地図のおかげで、ひどい目にあった。今、何時だ」と尋ねると、そこを出てから1時間超も大雨の中を歩き回っていたことがわかった。

 あまりの腹立たしさに、その子の前で、投票用紙を破り、くしゃくしゃに丸めてポケットにねじ込み、投票所を出た。

 その後、どうしたのかは覚えていない。
 気がつくと、家のベッドにいた。
 
 「よかった。気がつきましたか」
 という男性の声がした。
 たまたま車で通りかかった見知らぬ夫婦が、路上に転倒していた私を見つけて救急車を呼び、病院までついていってくれたのだという。
 脳波などの検査をしている途中に意識が戻り、検査結果が何もなかったので、その夫婦の車で免許書に記された自宅まで運んだが、車中で眠ったということだった。
 しかし、その間のことは何一つ覚えていないのである。
 
 どうやら山道で足を滑らせて転倒し、頭を打って意識を失ったようだ。
 私が起き上がって礼をいおうとすると、「そのまま、そのまま」といって名前も告げずに立ち去った。

 動けるようになったので、ボロボロになった投票用紙をもって、以前に行っていたルートを歩いていくと、ものの数分で投票所にたどり着いた。
 ボロボロの投票用紙は不要だった。
 住所・氏名・生年月日を告げるだけで、投票できるようになっているのだ。
 これなら、なりすまし投票も可能になる、と思った。

 それにしても、あのとき、あの夫婦が通らなかったら大雨の中で死んでいたのではなかったか。そして、〝路上の怪死事件〟として新聞の片隅に記事が出、
「11月初めに出る『考証・西郷隆盛の正体』という本が遺作となった」
 なんてことも書かれたのだろう。

 ――まるで映画のようだとしか思えない、こんなことがあったのである。
 
(城島明彦)

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