ほらあっ、納涼ホラーだよ!
ほんとうにあった4話だっちゅうの!
オイラは、子どもの頃から「霊感が強い」といわれてきた。
そういうオイラが体験した、ほんとうにあった怖~い話を、今宵はおとどけして残暑お見舞いとするざんしょ。
第1話 他人の空似か!?
最近の話である。
深夜の公園でのこと。
その女とすれ違った後、「もしや」と思って振り返ったのは、オイラだけじゃなかった。
すぐ後ろを歩いていた若いカップルの男の方が、
「違うだろ?」
と聞こえるような声でいったが、その女は振り返らなかった。
すると、カップルの女の方が大きな声で、
「違うだろ、このハゲ―ッ!」
といったら、その女はギクッとしたように足を止めて、こっちを振り向いた。
入院中といわれていたが、やっぱり、あの女だったじゃないか!?
第2話 細道
オイラが小学3年生の夏休み中に出来事だ。
1人しか通れない狭い道で、前方から浴衣姿の女の子がやってきたので、オイラが体を斜めにしたら、姿が消えていた。
ふと後ろを振り返ると、いつの間にか通り過ぎていた。
驚いてその姿を目で追っていると、突然、かき消えた。
第3話 神社
小学5年生の秋の日のことだった。
その神社の境内には、でっかい椎(しい)の木があった。
昔々、その木の幹が丑の刻参りに使われていたという噂があったので、いつも人気(ひとけ)がなかった。
夢中になって椎の実を拾い、落ち葉をかき集めて、ランドセルに隠してあったマッチで火をつけたが、風が強くてうまくいかなかった。
そこでオイラは、社殿に入り込んで、たき火をした。
そうしたら、火事になってしまったので、こわくなって逃げた。
次の日、学校で、山火事の一歩手前で消火されたという話を耳にした。
誰にも気づかれなかったと知って、ほっとし、様子を見るために、その日の帰りに人目を忍んで神社へ行くと、社殿が半分黒焦げになっていた。
良心がとがめ、無我夢中で、「ごめんなさい、ごめんなさい」と両手を合わせていたら、誰かがオイラの背中をたたいた。
ギクッとして振り返ると、誰もいなかった。
白っぽい着物のようなものが、太い椎の木陰に消えていったような気がした。
急に怖くなって、一目散に逃げた。
第4話 包丁
27歳の夏の夜にアパートの一室で起きた話だ。
布団に寝ていたが、老婆が出てきて、オイラの首を絞める怖い夢を見たが、金縛りにあって何もできなかった。
目を覚ますと、闇の中をその老婆がすう~っと遠ざかっていく。
その同じ夢が3日続いたので、知り合いに話したら、
「布団の下に包丁を入れて寝ろ。そのババアが出てきたら、念仏を唱えながら、包丁を手に持って『首を締めたら殺すぞ』といえ。そうしたら消えるはずだ」
といわれた。
その通りにしたのに、老婆は4日目の夜も現れた。
オイラは、いわれたとおりにしたが、老婆は消えずにオイラの首を絞め続けた。このままでは死ぬと思って、とっさに右手に握った包丁を老婆の胸に突き立てた。
そこから先の記憶はなく、目覚めると朝だった。
手に包丁はなく、夢だったのだろうと思いながら、布団を畳み、包丁に目をやると、血濡れていた。
オイラの体のどこにも傷はなく、畳のどこにも血痕はなく、包丁だけがなぜか血にまみれていた。
(城島明彦)
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