拙訳『石田梅岩「都鄙(とひ)問答」』のアマゾン在庫切れ問題、週明けには来週早々には解決とか
アマゾンで購入できない状態が続いていたが、在庫補充されるようだ
平成初の現代語訳、日本史上2冊目となる現代語訳ということもあり、昨年9月末発売以降、好評をいただいていた拙訳『石田梅岩「都鄙問答」』(到知出版社)だったが、アマゾンで新刊が求められなくなるという問題が発生していた。
版元が発行している会員向けの雑誌『致知』2月号で、梅岩の記事として社会評論家で100冊を超える著書のある田中真澄氏と私の対談記事が出たことで、正月以降、売行きが加速し、「スピード発送が身上」のアマゾンの表示が「1~3週間で発送」となること再三と思っていたら、2月4日以降、新刊本が求められない状態となり、並んでいるのは高価な値をつけた中古本ばかりとなった。
雑誌が発売された今年の正月以降、ジャンル別のランキングで1位とか2位に長くいたが、在庫切れとなって商品そのものが買えなくなり、ランキングがダウンしつつあった。
版元に確認したところ、
「おそらく来週明け(2月13日)頃の切り替わりになるのではないか。『致知』で紹介された影響で、想像以上に大きく本が動いたので、購入をご希望の方には恐れ入りますが、いましばらくお待ちいただきたい」
ということだった。
石田梅岩『都鄙問答』は松下幸之助翁が座右の書としていた江戸時代の書だが、福沢諭吉や渋沢栄一にも大きな影響を与え、近年ではカリスマ経営者として多くの信奉者がいる稲盛和夫氏も、京セラを起業して経営で苦しんだときに『都鄙問答』を読んで感動しており、経営者だけでなくビジネスマン必読の書といえる。
私がこの本を書いたのは、広報関係の雑誌に企業の危機管理に関する連載をしているときに、「どうして名だたる企業が、次々と不祥事を起こすのか」という疑問を感じ、そのときに「日本のCSR(企業の社会的責任)の原点」とされてきた石田梅岩の『都鄙問答』のことが気になった。
だが、現代語訳は過去にそれ1冊きりで、その本も等に絶版になり、しかもその本は読みづらいということを知り、「それなら自分が現代語訳する」と思い立って書いたという経緯がある。
岩波文庫が昨年2月に『都鄙問答』をリクエスト復刊したことも追い風となっているが、この本を読むとわかるけれど、現代人がすらすら読むのは難しく、註釈もついていない。
そこで、この本を底本として現代語訳した。偉そうな言い方をすると、拙訳本が発売されたから、岩波文庫も動意づいた。その意味では、借りた恩はすでに返したと(僭越ではあるが)思っている。
福沢諭吉、渋沢栄一、松下幸之助翁、稲盛和夫氏らが、なぜ『都鄙問答』に魅かれ、その魅力を多くの人に語ったかということを、(PRめくが)一人でも多くの日本人が自分の目で本を読み、「どうすることが企業としての正しい生き方なのか」ということを、改めて認識してほしいと思うのである。
蛇足ではあるが、拙訳『宮本武蔵「五輪書」』もアマゾンで新本が入手できない状態が続いているが、こちらは増刷中ということと関係あるのかもしれないが、絶版と同じような表示になるので、著者としてはあまりいい気持ではない。
【追記』
本日、所用で渋谷へ出かけ、午後5時半過ぎに帰宅したら、『石田梅岩「都鄙問答」』『宮本武蔵「五輪書」』とも、
「1~3週間で配送」という表示に変わっていた。
関係者が手を打ってくれたようだ。
これで、絶版と思われる心配もなくなり、古書ではなく、新しい本を入手できるようになったわけだ。
それでも1^3週間は待たせすぎで、本来のアマゾンではなく、ほどなく両書ともアマゾンが身上とする翌日配達といった正常状態の「スピーディなお届け」に戻るはず。
拙訳の『都鄙問答』『五輪書』を読みたい方は、ぜひどうぞ!
【追・追記】
「1~3週間で配送」を正確にいうと、
「通常1~3週間以内に配送します」
という表示だが、石田梅岩『都鄙問答』は、2月11日午後5時55分現在、
「通常2~5週間以内に配送します」 という表示に変わっていた。
「最悪5週間も待たされるのか! それじゃあ、買うのやめとこ」
という人も当然出て来る。
いくら何でも、5週間はダメでしょうが。
そこに「顧客満足」という言葉が存在しなくなるからね。
ついでに書きたすと、拙訳『宮本武蔵「五輪書」』方は、
絶版状態⇒通常1~4週間以内に配送します⇒一時的に在庫切れ;入荷時期は未定です
に変わっていた。
「一刻も早く読みたい」
と思ってアマゾンを利用している読者の気持ちにピッタリと寄り沿えるように、アマゾン殿、頑張ってちょうだい!
(城島明彦)
« 富士通製パソコン(Windows10搭載)のセキュリティソフト「マカフィー」の不具合、顛末記 | トップページ | 「素朴な疑問」「単純な考え」を大事にすると、人は飛躍できる »