あの迷曲を、もう一度
こんなの、あり? 「盛り土問題」で東京都の責任者らが減俸謝罪!
「ブルー」(blue)という英語は不思議ですな。
「ブルースカイ」といえば、雲一つなく澄んだ青空。スカッと爽やかなイメージでございます。
ところが、「ブルーデイ」だの「ブルーマンデー」となるてぇと、一転して憂鬱なイメージになってしまうのだから、わかりません。
「ブルー」が「ブルース」という複数形になると、哀調をたたえた黒人の歌でございます。
あっしが子どもの時分には、「ブルー」は憧れで、万年筆のインクといえば「ブルーブラック」が定番でしてな。
しかし、「ブルー」な歌といえば、替え歌まで作られている昭和の大ヒット曲「ブルーシャトー」でありましょうな。
♪ 森とんかつ、泉ニンニク、囲まれテンプラ
この替え歌は学校放送でも流せますけれど、
♪ 森とんずら 泉妊娠 囲まれ点滴 までいくてぇと、これまもう学校放送禁止でしょうな。
♪ 森と泉に囲まれて 静かに眠る ブルーシャトー
という元歌をあっしが初めて耳にしたのは、大学時代でございましたな。
ブルーシャトーと聞いて、あっしは「ロビンフッド」のシャーウッドの森、やら「白雪姫と七人のこびと」の森やら、イングマル・ベルイマン監督の「処女の泉」という名画やらを連想したものですが、歌詞を全部聞くと、なんのこっちゃ、ただの「青い城」だったのですな。
「赤毛のアン」で知られる作家モンゴメリの「青い城」は、こちらは山の上にそびえておりますから、これでもありませんな。
どうして「青」にこだわったのでございましょう。
いやいや、深く考えるまでもございません。演奏した「ブルコメ」こと「ブルーコメッツ」というバンド名にちなんでつくられただけの話ということですな。
バンド名が「レッドコメッツ」なら「レッドシャトー」。スペインのグラナダにあるアルハンブラ宮殿は、その周辺の土壌が赤いことから「赤い城」と呼ばれておりますが、まわりに湖などありません。
問題は「シャトー」の方でございますな。
食い意地の張った今なら、あっしは間違いなく牛肉の「シャトーブリアン」を連想いたしますが、当時はシャトーブリアンなんてぇ言葉は知りませんから、「シャトー」と聞いて「ピサの斜塔」を連想、「青い斜塔」と勘違いしてしまったのでございます。
青い斜塔――古びて傾いた城の塔、つまり斜塔ですな。
♪ 春高楼の 花の宴
の滝廉太郎の「荒城の月」でもなければ、
♪ 崩れしままの 石垣に
と三橋美智也が歌った「古城」ではなく、ましてや、おなつかしや、元宝塚の月組トップスターの古城都(こじょう みやこ)でもありませんで、西洋の古城ですな。
そうなるてぇと、ドラキュラ城のような、何やら怪奇的な雰囲気の城になってしまいます。
あっしがいいたかったのは、そういう話ではありませんで、東京都の豊洲市場問題でございましてな。
東京都の責任者の減給処分が発表になり、該当者は憂鬱な気持ちで謝罪したのですな。
そこで、あっしも「ブルーシャトー」の替え歌を一部、変更したのでございます。
♪ 盛り土 出水(いずみ)に 過去まれで
静かに眠る ブルー謝都~
(城島明彦)
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