平成初! 松下幸之助翁の座右の書(石田梅岩『都鄙問答』)、現代語訳で9月末発売!
経営者・ビジネスマン必読! 日本史上2冊目となる全文現代語訳『都鄙問答』(とひもんどう)
江戸時代中期に活躍した石田梅岩の『都鄙問答』は、「日本のCSR(企業の社会的責任)の原点」といわれる書で、〝経営の神様〟といわれたパナソニックの創業者松下幸之助翁が座右の書とした書で、この2月に岩波文庫の「リクエスト復刊」された。
石田梅岩の『都鄙問答』は、江戸時代、軽くみられていた商人の地位を初めて高めた点でも評価される。
商人が「士農工商」という身分制度の一番下に置かれたのは、
「農民や職人のように汗水流さず、品物を右から左へ流すだけで、金を儲けている。」
という理由からだった。
しかし、『都鄙問答』の原文は難しいので、古文に精通しているごく限られた人以外は、意味がよくわからず、まず読み通せない。
松下幸之助翁が感銘を受けた名著でありながら、原文が難解で訳しづらいということもあってか、明治時代以降、全文を現代語訳した本は、たった1冊しかない。
当初は、1972年に箱入り本、それを1984年にソフトカバーにして出版しているので、同じ内容である。もっと詳しくいうと、版元は中央公論社で、「日本の名著シリーズ」。訳者は評論家の加藤周一だ。
その本は、日本の思想シリーズであり、富永仲基と合わせて1冊となっていた。
この本は、学術的には意義があったが、普通のビジネスマンには手を出しにくい。
一番大きな問題は、「問答」という書名に騙されて、全文を口語調にしたため、文章がまだるっこしくて、読みづらく、解釈がおかしい個所も結構あった。
そういう本だったが、絶版になって久しい。
不祥事を起こす企業は、梅岩の唱えた「商人道」が欠落している
縁あって、私は3年以上も、「広報会議」という月刊誌に「危機管理」をテーマにして、毎月、問題のある企業を取り上げて連載させてもらってきた。
最近では、不祥事を犯した東芝、マクドナルド、東洋ゴム、ロッテなど、名だたる企業を取り上げてきた。
そんな中で、よく頭をかすめたのが、そうした企業の経営者は、石田梅岩の『都鄙問答』を読んだことがあるのかという疑問だった。
読もうとした人は、たくさんいるかもしれない。
だが、本がない。手に入らない。
岩波文庫で原文が復刊されたが、わからない。
「ならば、自分がわかりやすい現代語にしようではないか」
と思ったのが、執筆のきっかけである。
「少しは世の中のためになることをしたい」
という気持ちもあった。
松下幸之助翁は、「経営にゆきづまったら、石田梅岩を読みなはれ」とよくいっていたそうである。
「それほど大事な書なら、現代語訳されてて気軽に読まれなければならない」
と、私は思い、現代語訳したのだ。
「経営者・ビジネスマン必読の書」
であると私は思っている。
松下幸之助翁が、『都鄙問答』のどの箇所に魅了されたのかを考えながら読むと、楽しいのではなかろうか。
9月26日ごろには書店に並ぶということなので、ぜひ、手に取ってパラパラとページをめくっていただきたい。
(全文現代語訳 城島明彦/致知出版社) ※写真はクリックすると拡大できます
(城島明彦)
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