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2016/08/21

「ほん怖2016」を観た.。採点すると50~60点レベル


◎ほん怖2016 寸評

 去年は見落としたが、今年はしっかり観た。採点すると、全体的に低調で50点ぐらいか。


▼第1話 押し入れが怖い (主演 中島健人) 採点55点


 しょっぱなに持ってきた話で、しかも30分近いドラマで、全6話中最も長いので、もっとも力を入れたと思われるが、観た感想は筋立てもホラー度も「イマイチ」。

 サラリーマンを辞めて上京し、美容師見習いをしている若い男が主人公で、友人が探してくれた古めのアパートの2階に住んでいる。練習用のウィッグ(かつら)をかぶせた首から上の人形を、押し入れに何個も入れているという設定は不気味で、これから何が始まるのかと期待させたが、この素材は使われずじまい。こちらをもっと生かした方が面白くなったのではないか。

 母親から送られてきた「ほうとう」(うどん)を押し入れが涼しいからといってそこに入れるという展開だが、いまどき、独身でも小さな冷蔵庫ぐらいは持っていないとおかしい。「ほうとう」を押し入れに入れるというのも不自然で、しかもご都合主義だ。

 夜中に隣室で物音がするが、隣は空室。
ウィッグを捨てるために押し入れに入り、ビニール袋に入れているときに冷たい人の腕をつかむ。
 その翌日、美容室で、お客の首筋を掴むと「死んだ人に触られたように冷たい」と騒ぎになる。それ以前にいろいろ仕事をしているので、これも不自然。

 翌日友人が訪ねてくると、「ほうとう」はもう腐っていて、本人も友人も驚くという展開だが、これも不自然で無理がある。
 その友人は、ネットにアップされていたそのアパートの押し入れの写真を拡大すると、妙なものが写っているので、早く引っ越せと促したが、本人はそこに住み続ける。
 押し入れにつっかい棒をして開けられないようにするが、怖い夢を見る。
 翌日、勤務先から戻ると、つっかい棒が勝手にはずれていた。
 
 ごみを出しにいくと、前に顔を合わせたオヤジから、その部屋にまつわる話をきかされる。「その部屋で、若い母親と男の子が住んでいたが、母親はほとんど部屋に居らず、その子は、ランニング1枚で寒い寒いといって死んだ。」
 「2階のほかの部屋も、怖がって部屋を借りなくなった」
 あんたも見たんだろ? といってオヤジは去る。

 部屋を紹介した友人が、ネットでその部屋のことがアップされているのを見つけ、押し入れの空いている写真を拡大すると不気味なことになっているので、その部屋を出ろといったが、そのままに居続けると、夜、ランニング姿の子どもが押し入れから這い出てきたので、さすがに転居したというお話。
 全編の中で一番長い30分近いドラマに仕立てられている割には、中身が薄い。

 もっと面白くするには、その押し入れは、通常よりかなり狭くなっているという設定にしておき、ラストは、押し入れの壁紙がはがれ、そこに血のにじんだような跡があり、厚い壁を壊すと、中から子供のものと思われる腕や足が埋められていた。警察が捜査に入り、隣室の押し入れも調べると、そこからは首や胴も出てきた、というエドガー・アラン・ポー風の仕立てにするのはどうか。
 30分近い話にするのなら、若い母親とその男の子にまつわる話をもっと複雑にしておかないと、強い怨念がにじみ出ない。


▼第2話 病棟に棲む五円玉 (主演 武井咲) 評価65点
(こっくりさんを使った点と武井咲に好感を持っているので、+10点加点)


 古い病院が舞台。武井咲扮する若い看護婦が担当している少女が、お絵かき帳に病院の部屋の平面図を描いていて、5円玉をつかって一種の「こっくりさん」(勝手に指先が動いていく怪奇遊び)をやっており、その子の指が抑えた5円玉が止まった病室の間jyが次々と死んでいくという、よくある話。
 最後は、武井咲が怪しい影に追いかけられ、逃げ切ったと思って最後に振り向くと、いきなり恐ろし気な女の顔が「バア~ッ!」という感じで画面に現れて、ギャーッとなって、はい、おしまい。これも病院ものでよく使われるパターンで、「またか」という感じ。

 ありきたりのラストにせず、たとえば、以下のようにしたら、もっと面白くなったはず。
恐怖感に襲われた武井咲は、そのお絵かき帳をその子が眠っているうちに焼却炉で燃やしてしまう。
 そしてその翌朝、その子の病室へいくと、その子が急死しており、武井咲は自責の念に駆られる。
 遺骸が運び出された後、病室のベッドの下から別のお絵かき帳が見つかり、武井咲がそれを開くと、カレンダーのような不思議な絵が描かれていた。
 武井咲の事故・死亡予定カレンダーだった。凍りつく武井咲のアップに交通事故死する彼女の映像がだぶって、ジ・エンド――とした方が、ひねりが効いて怖くなったのではないか。

 もう1点、その子が、なぜそんな霊感を身につけたかについても、恐ろし気なエピソードを紹介した方がいい。たとえば、強盗に襲われて家族が惨殺され、しかも家に放火された過去があるといったようなことだ。
 しかし彼女は、瀕死の重傷を負いながら、かろうじて脱出、彼女だけが奇跡的に助かった。だが、それ以来、彼女は無口になり、脳にも損傷を受けていることが判明。
 さらに恐怖度を増そうとするなら、その子は、時折、病室から抜け出していって、一家を惨殺した犯人の家を見つけ出して放火・復讐し、狂気に満ちた笑みを浮かべている――といったような設定にした方が、もっと不気味なリアリティがでるのではないか。


▼第3話 呪いの絵馬 (主演 バカリズム) 評価50点 

 取引先と宴会をしているときに、前に座った若い女が、帰るときに追いかけてきて「蛇の絵が描かれた絵馬」を渡される。以後、まわりで妙なことがいっぱい起こり、神社に納めに行くという話。神社へ行かせまいとして、途中が工事中だったり、突然風雨に襲われたりと、不自然すぎるが、何とかたどり着いて、神社の箱の中に入れて、無事帰宅。
 「きちんと奉納されたと思います」
 という主人公のナレーションが終わると、カメラが、中身が空っぽになった箱の外にその絵馬だけが落ちている映像を映し出して、おしまい。
 もうちょっとひねれないものか。ドラマでは、絵馬を渡した子は、その翌日退社しているという筋書きになっていたが、それだけで片づけず、転居先を調べて本人に会い、絵馬にまつわるそれまでの怖~い話を聞いていると、絵馬を奉納した神社が放火にあって炎上する。見に行くと、絵馬が燃えるところで、その煙や炎の中に、女の子から聞いた話に登場した不気味な怨霊らしき姿が見えたといった筋書きのラストにした方が、よかったのではないか。


▼第4話 もう一人のエレベーター (主演 乃木坂46) 評価40点
(生田絵梨花 生駒里奈 齋藤飛鳥 白石麻衣 西野七瀬の5人)


 入院した友人を女子高生たちが見舞いに行き、エレベーターがおかしくなって1Fのボタンを押したのに、霊安室のあるB1で止まってしまい、ドアが閉まらず、姿が見えない誰かが乗り込んできたり、出ていったりする気配を感じる怖い体験をするという話だが、普通、患者や見舞客が霊安室へ直接エレベーターが行かないように病院側でロックしてある。
 そう考えると、この話はどっちらけだ。

 タイトル(ほんとうにあった怖い話)通りの実話だとすれば、エレベーター故障してボタンを押した階にエレベーターが止まらず、霊安室に泊まるような出来事があったら、新聞記事になるが、そういう記事が出たような痕跡もない。
 そろそろ「ほんとうにあった」というタイトルを変えた方がいいのではないか。
 短い作品だが、6話中2話が病院というのも、安易すぎないか。


▼第5話 夏のしらせ (主演 前田敦子) 採点50点


 前田敦子主演。父の反対を押し切って田舎から東京に働きに出、小さな印刷屋に就職したOLの前に、死んだ父親が頻繁に現れるようになる。
 ――という前提自体、かなり苦しい。なぜなら、父親にしろ母親にしろ、死後、自分の子どもが怖がるような形で、何度も何度も姿を見せはしない。そうかんがえると、この話自体、ありえない。

 あまりに頻繁に亡霊が表れるので、不思議に思い、郷里の実家に帰ってみると、また父親の亡霊が出る。
前田敦子が父親の遺したファイルブックを手に取ると、そこには自分が企画制作したチラシがきちんとファイルされ、コメントまで書き加えてあった。
 そのなかに「がんばれ」と書いてあるのを知って、「ごめんなさい」と謝ると、父親の亡霊は消えたという話だ。
「父がくじけそうな私を励まそうとしてくれていたからです。今も見守ってくれている。そう感じるのです」
 と前田敦子は語るのだが、娘が気がかりで成仏できていないなら、娘をいじめたり苦しめたりする人間にたたろうとする。
 ドラマでは、仕事でミスってクライアントに叱られたりしているので、父親がたたるなら、そちらの方にたたるはず。
 本当に娘を愛している父親なら、このドラマで描かれたように、娘が怖がるような亡霊と化して見守るようなことはせず、そっと見えないところから見守っている守護霊となる。

 このストーリーには、致命的な問題がある。父親は、生前、どうやって離れたところにいる前田敦子がつくったチラシを次々と集めることができたのかという点だ。
 印刷会社の誰かに頼んで集めたとしても、そういう話はすぐに本人の耳に達する。
 ホラーは理屈ではないという人も多いが、「ありえない」ような状況設定では、無理にでっちあげたチャチイ話という批判を浴びる。


▼第6話 誘う沼 (主演 柳葉敏郎) 採点50点


 父・娘・息子の三人で貸別荘へ宿泊に来た夜、父親の柳葉敏郎は、夜中に女の声を聞いたように思い、目を覚まし、窓のカーテンを開けた。
向こうに2年前に死んだ亡妻のような姿を見て、まだ喪失感から立ち直っていない柳葉敏郎は、その姿を追って外に出、あとを追いかけていく。
 目を覚ますと朝で、夢かと思ったが、足の裏に泥がついていた。
 父親だけ、もう一泊すると、また女が現れ、後を追いかけると見失い、沼に出る。
 と、沼の向こうの方に女が立っている。
 その女が手招きしているが、長い髪が垂れ、顔は見えない。
 その前に、ホテルの部屋で、妻の写真を手で撫でさすっている場面が出てくるが、髪はもっと短いから、普通なら、沼の女が妻とは違うと不審に思うはずだが、正気をなくしていたのか、妻と思って近づいていく。
 
 「貞子」をほうふつさせる不気味な女で、爪は異様に伸びていて、不気味だが、また貞子かという印象は否めない。
 妻の亡霊ではない気づいて、柳葉敏郎は必至に逃げ、助かったというお話。
 ラストに妻を思う気持ちが沼に棲む亡霊を呼んだのか、それとも沼に棲む亡霊が妻を思う気持ちに取り入ったのかといったナレーションがながれるが、何ともわざとらしい。

◎以下は、おまけだ

フジテレビの呪いか!? ワードが真っ白けになる恐怖に襲われた

 わが身に起った怖い話を少々。


 一番怖い話は、今日だ。 
 この原稿をまずワードに書いていて、「名前を付けて保存」ボタンをクリックした途端、画面が真っ白になってしまったことだ。
 こんなことは、ウィンドウズ95以来、ワードを使ってきたが、こんな経験は初めてで、
 「フジテレビの呪いか」
 と本気で考えたくらいだ。
 セキュリティソフトの「マカフィー」までフリーズした。
 「また書き直すのは嫌だ」
 と思いながら、いろいろトライしたがダメで、再起動したら、回復できるようになっていて、一安心。

 続く恐怖は、一昨日。
 この原稿はデスクトップで書いており、メールはOutlookを使っているが、別のノートパソコンではOutlookを使っていなかったので、それをインストールしようとしたらうまくいかなかった。

 そこで、相談しようと、まずニフティに電話したら「Outlookの欠陥」だといい、マイクロソフトに電話すると、「欠陥じゃない」といってから、インストールするには1万5千いくらかかるだの、オフィス365サービスだと延長になるので5000円ですむとか、金をふんだくるベラボーな話ばかりだ。
 結局、ニフティ→マイクロソフト→ニフティとたらいまわし。
 その挙句、最後にニフティと話していると、部屋の外が暗くなってきたので、電気をつけ、ベッド上で電話していたので立ち上がってカーテンを閉めようとしたら、足を滑らせて液晶画面の上に尻もちをつき、画面がいかれてしまうという事件があった。
 こんな経験も初めてだ。修理代はバカにならないし、泣くに泣けない心境だ。

もう一つの恐怖は昨日だ。
 DMM.comに入会して、動画で1956~57年に東映で公開された映画「少年探偵団」を見ようとしたが、何度やってもうまくいかず、これも二度、有料電話を長々とかけ、やっと見れるようになったという経緯がある。

 昨日、立て続けに6本見たが、今日になってもう一回見ようと思ったら、履歴を消したせいで、まったく残っておらず、ログインもできず、購入済み商品のところからも消えていた。

(PS) 昼前に見直したら、「購入商品一覧」のところに6作品が復活していたので、もう一回見ている。


(城島明彦)

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