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2016/06/10

〝マムシの善三〟がまとめた報告書は、「第三者委員会」を装った身内の茶番レポートだ


舛添のイメージを悪化させた〝ヤメ検〟のあざとい手口

 舛添要一都知事に雇われた〝マムシの善三〟こと佐々木善三弁護士の記者会見は、テレビ中継されたので、私も視ていたが、ひどかった。
 「関係者」について、記者に詳しく尋ねられると、マムシの善三は、
 「関係者は関係者だ」
 と逆切れし、
 「第三者委員会」のことを質問されると、
 「第三者委員会とはそういうものだ」
 と高飛車な物言いをしたが、舛添とはまったく利害関係のない5~6人の構成メンバーで構成し、じっくり時間をかけてトコトン調査するのが、正しい「第三者委員会」だ。

 「第三者委員会とはそういうものだ」発言は、会見場に詰めかけた記者連中を、上から目線で小ばかにしただけでなく、テレビ中継を通じて大変な数の視聴者に向けたものでもあると受け取られるというところまでは、逆切れしたために頭が回らなかった。


禅問答なのか「違法性はないが、不適切」

 舛添都知事の一件は、はたして真正の「第三者委員会」と呼べるのか。
 答えは否。似て非なるものでしかない。
 過日の「東芝の利益水増し事件」の際、同社の「第三者委員会」が作成した膨大な報告書は、私も読んだが、「身内擁護意識」が充溢しており、激しい批判を浴びた。
 舛添報告書はというと、それ以下のレベルである。
 調査をつくしたとはといえず、「第三者委員会」を装った報告書に過ぎない。

 「違法性はないが、不適切」などという禅問答のような表現を多用して、言葉巧みに舛添を弁護した点も、都民を含めた国民を小ばかにしており、反発と批判の声を増幅した。

 調査期間が短すぎて、とことん調べられなかったにもかかわらず、そこを追及されると、
 「必要ない」
 と開き直った。
 すなおに「時間がなかったから、完ぺきとはいえないが、その時間内で調べられることは調べた」といえばいいものを、そうしなかったことで、マムシの善三は墓穴を掘ったのだ。

 マムシの善三の「俺のやり方に文句があるか」という逆切れ、開き直り会見は、かえって、舛添発言の裏を取る調査をきちんとやらなかった(やれなかった)という「負い目」を暗に認めたことになる。


顔つき・態度・話し方――どれもイメージが悪すぎる
 
 マムシの善三だが、底意地の悪そうな性格が、いつしか、顔つきに出ている。
 検事時代は、さぞや〝正義感〟という名の仮面をかぶって、威圧的に権力をふるってきたのではないか、と思える雰囲気を全身に漂わせている。

 ヤメ検だから、検事の手の内を知っていて、弁護士に転じてからは、法の網の目をくぐり抜けられる技術を巧みに利用して、女性首相候補といわれた小淵優子、酒が入ると人格が変わる元都知事の猪瀬直樹など、金銭がらみの政治犯などの罪を軽くして知名度を上げた。
 
 しかし、今回の一件で、忘れられつつあった小淵優子が掘り起こされ、彼女に対する悪いイメージが加わった。
猪瀬の方は、まさに踏んだり蹴ったりだ。
 かつて都議会で、
 「現金の厚さに見立てた発泡スチロールがカバンに入る、入らない」
 というやり取りを展開したくだらない場面が、繰り返しテレビで流され、落ち込んでいたところへ、どこか悪徳弁護士風イメージが漂う〝マムシの善三〟に弁護してもらっていたことが報道され、弱り目に祟り目となったのである。

 (城島明彦)

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