「活断層の地震は予測できない」と言い切る地震学者らよ! なぜ、「いまは不可能だが、可能にしたい」と宣言しないのか!?
不可能を可能にしてきたから今日の世界がある
昔を回顧する気持ちでいうのではない。
私がソニーに勤務していた昭和の時代、ソニーには活力があふれていた。
井深大・盛田昭夫という二人の創業者を先頭に、「日本初」「世界初」の商品を開発するのだという野望があった。
「誰もやらないことをやる」「どの企業にもできないことをやれ」が、ソニー躍進の合言葉だった。
文系の人間が突拍子もない夢を描き、無理難題と思えるような企画を立てたが、それを商品化する理系の人間は、最初は「そんなことは不可能だ」と笑って、取り組もうとしなかった。
だが、やがて、その商品が開発され、世界の市場を席巻した。
こういう話をすると、「アナログの時代だからできたんだ」と反論する技術屋が、そういう時代でも必ずいた。
その手の人間が増えたから、ソニーの技術力は独創性や相対的優位性を失ったともいえる。
ソニーに限らず、「やらないための言訳」を探す社員や経営者が多ければ多いほど、その企業は落ちていく。
デジタルの時代を制したのは、いうまでもなく、アメリカ企業のマイクロソフトやアップルだが、両社の創業者であるビル・ゲイツもスティーブ・ジョブズも、かつての日本企業をお手本として、それまでこの世の中に存在しない商品、日本企業が不可能としてチャレンジしなかった商品を開発し、世界の覇権を握ったのだ。
今日のテーマは、そういう話ではない。
熊本や大分を突然、襲ったかにみえる大震災を、日本の地球物理学者や地震科学者たちは、なぜ予知できなかったのかという話である。
地震を予知できる新しい技術を開発ししようという「気概」が感じられない
NHKをはじめ、テレビ各局で解説にかり出された地震系学者や技術者たちは、まるで口裏を合わせたかのごとく、
「今回の活断層の地震は、予知できません」
と言い切っている。
「GPSで見ても、地下の動きは知ることができない」
と、人ごとのようにいっているのを見て、腹が立った。
なぜGPSを超える別の新しい技術を開発しようと思わないのか!?
億万光年の彼方にある惑星を探査できる技術力がありながら、なぜ地球の地表からわずか10~20キロ程度の場所の地殻変動を察知する気にならないのか!?
そういう〝うしろむきの姿勢〟を、恥ずかしいと思っている様子は、まったくない。
人を殺す原爆などの兵器は開発できても、人の命を救う予知技術は開発できないとでもいうのか!?
人工的に地震を起こさせる技術を戦争に悪用しようとする権力者が現れたら、その国は必死になって、金に糸目をつけずに「不可能を可能にしよう」とするだろう。
まだ世の中に存在しない新技術の開発には、それくらいの〝無茶〟が必要ということだ。
太平洋戦争時、アメリカは、ヒト・モノ・カネに糸目をつけずにつぎ込んで、それまで世の中に存在しなかった「原爆」を開発し、日本を叩きつぶした。
「地震予知は、自分が必ずやり遂げる」
という思いが科学者にまずなければ、実現するはずがない。
〝地震大国〟日本が、
「いついつまでに、世界のどの国より先に地震予知技術を開発する!」
と宣言し、産官学が一体となって、軍事費に匹敵するとまではいわないが、研究資金・調査費用・開発費用などに糸目をつけずに研究・開発する体制を、なぜ、つくらないのか、つくれないのか!?
つれない言訳は聞きたくない。そう思っている日本人は多いのではないか。
(城島明彦)
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