大相撲〝張る場所〟、目には目を! 「張り手」と「肘打ち」で白鵬を倒せ!
左手で「張り手」・右手で「かち上げ」(=肘打ち)、〝脳震とう勝ち〟白鵬に引退勧告
春場所(大阪場所)が連日、満員御礼となっているのは結構なことだが、白鵬、日馬富士らが連日、立ち合い時の「張り差し」や取り組み途中に「張り手」を連発、喧嘩のような様相を呈し、〝張る場所〟の感がある。
張り手は、学生相撲では禁止されている。耳や後頭部に当たると危険だからだ。
だが、白鵬は、その張り手を連発する。
9日目の取組では、栃煌山に対し、立ち合いざま、左手で顔面を張るのと同時に左腕の肘で栃煌山の顎を直撃。
栃煌山は軽い脳震とうを起して、あっさり土俵を割った。
「かち上げ」という名がついた技は、白鵬がやったような顎を砕く技ではない。
相手の胸に肘をぶつける技だ。
肘打ち(=エルボー)の危険性は、張り手の比ではない。
栃煌山が顎を骨折すればよかった。そうすれば、相撲協会も動かざるを得なかった。
大相撲はプロレスとは違う。勝てば何をしてもいいというスポーツではない。
しかも国技である。
しかし、朝青龍など、モンゴル勢が荒っぽい技を連発し、いまでは、立ち合いざまの「張り差し」がごく当たり前の取り口と化してしまった。
「張り差し」の流行で、取り口にまで変化がみられるようになった。
決して褒められたことではない。
日馬富士や鶴竜などは、勝負途中で相手と離れた場面で、突っ張るとか、押しに行くといった取り口はせず、しばしば相手の顔面を張りに行く。
情けない限りだ。
顔面を張り飛ばされれば、誰だっていい気持ちはしない。
突っ張りがそれて顔面に当たったのとは訳が違う。どんなに稽古を積んでも鍛えられない顔面を、最初から狙って張りに行くのだから、張られた方は不快な感情を覚える。
だから、かつては下位の者は上位の者に「張り差し」「張り手」を使うのを遠慮したものだが、近年は、そういう不文律も破られた。
豪栄道、稀勢の里、琴奨菊らも、平気で「張り差し」を行うようになった。
それを見習っては、下位の者が上位の者に「張り差し」を行う〝下剋上の風潮〟が、最近は感じられるようになった。
大相撲の記録を次々と塗り替えてきた大横綱の白鵬が、その過程で、そういう悪しき流れをつくり、〝張り手や肘打ちの第一人者〟となっている事実は、実に嘆かわしく、かつ許しがたい。
横綱としての品位に欠け、日本の国技である大相撲を愚弄している。
姑息(こそく)な手を使わばいと勝てない横綱は不要。
一日も早い引退を望む。
(城島明彦)