〝詐称のデパート〟ショーンK事件は、「テレ朝の偏向報道]と「お粗末な取材力・調査力不足」の関係を暗示!
嘘を見抜けないテレビ局の報道力を疑われる事件
ショーンKが血祭だ。学歴詐称に経歴詐称、もひとつおまけに顔面詐称つまり整形疑惑ときては、あきれ返るしかない。
ショーンK本人は「ゲスの極み」と嘲笑されて済む話かもしれないが、トリプル詐称男を起用したテレビ朝日、起用を発表したフジテレビは「お粗末の極み」で済む話でない。
古舘伊知郎がキャスターをしているテレ朝「報道ステーション」にコメンテーターとして登場したショーンKの顔を見、その話を聞いて、「この男、どこか変だな」と〝直感的違和感〟を感じた視聴者は結構多かったのではないか。
私もそんな一人だったが、この事件は、番組卒業を目前に控えた古舘伊知郎がケチをつけられてしまったという話で終わらない。「報道の自由」などと偉そうなことをいうテレビ局がやったことは、「詐称経歴」を鵜呑みにし、結果的には「視聴者に対する説得力として悪用した」つまり、「視聴者を騙した」のだ。
ショーンKが登場した日の番組そのものが「うさんくさかった」わけで、インチキ番組を放送したことを意味し、インチキ男の発言を受けてコメントした古館伊知郎自身も、うさんくさかったということになる。
もっと飛躍した言い方をするなら、「『報道ステーション』という番組自体、ひいてはそれを放送したテレビ朝日自体がうさんくさかった」ということになりはしまいか。
一方、落ち目のフジテレビは、報道ステーションに出ているショーンKを見て、「4月から始める新番組のキャスターは『この男で行こう』」などと適当に決め、世間に赤っ恥をさらした。
「独自に発掘した人物を新たに起用しよう」としない安易な番組づくりに傾き、「フロンティア・スピリットのカケラすらない」ところに、同局低迷の最大原因がある。
ショーンKの経歴詐称を暴いたのは、いわずもがなの「週刊文春」。
文藝春秋社の調査力・取材力のすごさは、折り紙つき。メディアの中で群れを抜いている。
それに比べ、テレ朝、フジの両局は何なのか。
大事な報道番組のメーンキャスターに起用する人物の経歴すらまともに調べられないというお粗末な取材力・調査力を満天下にさらしたという点で、メディアとして致命的。
まさに「釈迦の説法、屁ひとつ」である。
折に触れて俎上にのぼる「報道ステーションの偏向報道問題」は、実は、同局の取材力不足・調査力不足が背景にあったのではないか、と思われる汚点をショーンK事件は残した。
それが、ショーンK 事件の意味するもので、単なる経歴詐称事件ではない。
事は重大なのである。
(城島明彦)
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