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2015/12/19

「花燃ゆ」の平均視聴率は、「平清盛」と同率で史上最低と報じられたが、実は「単独で史上最低」だった!


最後の3回の視聴率がすべてを物語る

 スポーツ紙は、そろって、「花燃ゆ」の全50回の平均視聴率が「平清盛」と同率の12・0%を記録、大河ドラマ史上最低となったと報じたが、それは〝まやかしの数字〞であって、そうではなく、「花燃ゆ」が史上最低だったのだ。
そのことは、ここ7年間の大河ドラマの「最終回までの3回の視聴率」を比較すると、一目瞭然である。

 花燃ゆ    13・2%→13・0%→12・4%(前回比-0・6%
 軍師官兵衛 16・6%→15・8回→17・6%(前回比+1・8%))
 八重の桜   13・7%→12・2%→16・6%(前回比+4・4%)
 平清盛    10・4→9・2%→9・5%(前回比+0・3%)
 江       15・6→15・6%→19・1%(前回比+3・5%)
 龍馬伝    15・7%→17・6→21・3%(前回比+3・7%)
 天地人    22・2→21・7→22・7(前回比+1・0%)

 最終回だけでも見ておこうという人が結構いて、毎年、最終回は視聴率が上がるのが常識で、汚い画面が視聴者に受け入れられず、酷評され、総スカンを食った「平清盛」でさえ、最終回はその前回や前々回の視聴率を上回っている。

 ところが、「花燃ゆ」だけは前回、前々回を下回ったのである。
 こんな現象は、大河ドラマの放送開始以来、初の珍事なのだ。


「花燃ゆ」最終回視聴率が下落した最大原因は裏番組

 「花燃ゆ」の最終回の視聴率を下げさせた裏番組とは、浅田真央や羽生結弦が出場したアイススケートの「グランプリファイナル」である。
 スペインのバルセロナで開催されたために、時差が生じ、放送局は視聴率を考えて、同時中継ではなく、録画放送にしたが、「浅田真央は6人出場した中の最下位」「羽生は、自己最高を更新する世界新で優勝」というニュースが既に流され、手に汗握る同時中継のハラハラドキドキはなかった。
 しかし、浅田や羽生がどんな滑りをしたのか、この目で確かめたいと思う視聴者が、録画放送を見たために、「花燃ゆ」の最終回の視聴率が前回を下回るという結果を生んだのである。

 その意味では、かわいそうというか、気の毒ではあるが、それ以前の放送では不思議なことに裏番組で国民が熱狂するようなスポーツのビッグイベント中継が行われず、この点も例年と違っていた。
 そのおかげで、「花燃ゆ」は、「平清盛」が記録したヒトケタの最低視聴率を次々と更新せずにすんだのだ。
 非常に運に恵まれてきた「花燃ゆ」だったが、最後の最後にビッグイベントとかち合ってしまった結果、前記のような視聴率となったのである。


蛇足だが、個人的には「花燃ゆ」の恩恵を受けた

 さんざん「花燃ゆ」に毒づいた私ではあるが、昨年秋に発売された拙著『吉田松陰「留魂録」』は、「花燃ゆ」が放送されたおかげで、吉田松陰に関心を持った視聴者層に買ってもらったようで、重版がかかった。その意味では、NHKに感謝しなければならないが、「花燃ゆ」に期待した分、裏切られた思いの方がもっと深い。

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(11月27日発売)

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(城島明彦)

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