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2015/05/31

「久坂玄瑞の子孫は、文ではなく芸妓お辰(辰路)が生んだ子の家系」の意味


文にはない「女の魅力」に久坂玄瑞が惚れた

 久坂玄瑞は「女にはウブだった」が、京都ではしっかり愛人をこしらえ、死を覚悟した幕府軍との戦いに向かうときは、「自分が愛しているのは、おまえだけだ」と綴った恋文まで送っている。

 しかも、その女との間に子どもまでつくっていた。
男の子で、「秀次郎」と名づけられ、のちに久坂玄瑞の子として正式に認知され、久坂家を継ぐのである。

 次郎とつけられているので、次男坊のように思えるが、文との間には子はできなかったから、お辰はもう1人、秀次郎の前に男の子を生んでいたのかもしれない。生まれてすぐに死んだか、流産した可能性もある。

 久坂玄瑞は三男で、幼名を「秀三郎」といった。「秀」という字をつけたのは、そのことに因んでいると考えられる。

 久坂玄瑞の子を生んだのは、先週の「花燃ゆ」にも登場していた芸妓お辰(西村辰路)である。

 お辰は、京都島原でも有名な揚屋「角屋」に呼ばれて、久坂玄瑞ら長州藩士のいる座敷に出た。
 彼女の抱え主は、「桔梗(ききょう)屋」の小林長兵衛。
 お辰は「内気でおとなしく、立ち居ふるまいはしとやか」といわれていた。
 NHKは「世間慣れし、かなりすれた感じ」に描いていたのは、どういうわけか。

 「角屋」へ遊びにいった久坂玄瑞が、そんなお辰に目を奪われ、翌日もやってくるのを見た仲居のお留が仲介をし、愛人関係になったといわれている。


NHKは読みが浅すぎる

 男も女も、恋愛対象に同じタイプの異性を求めるというが、男の場合に限っていえば、妻と愛人ということになると正反対のタイプを求めるのが普通。

 橋本マナミは、ほんわかとした笑顔、豊満で淫乱そうな体つきをしているから「理想の愛人」といわれるのであって、彼女が「理想の妻」といわれることはない。

 恩師の妹で、しかも不美人だった文にはない女としての魅力を、お辰は備えていた。そう考えないといけない。
お辰は、しとやかに見えながら、ひとたび体の関係を結んでみると、久坂が夢中になるほど素晴らしい女体だったのではないか。

 妻に必要なのは家柄・貞淑さといった要件であって、美貌などは二の次、ましてや結婚条件に床上手を求めることなど表立ってはありえない。

 文は恋愛の対象ではなく、奔放な性の交りをするような対象ではなかったのだ。


NHKは話をどうして嘘っぽくするのか

 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」が人気薄の理由の一つは、「話がウソっぽい」と視聴者に思わせる点だ。

 先週の話でも、夫を尋ねた文が藩主〝そうせい侯〞と差し向かいで、長々と言葉を交わす場面があったが、よほど暇で酔狂な殿様でない限り、そんなことはしない。
 吉田松陰の妹であっても、同じことだ。

 そんなことが現実にはありえないことぐらい誰でもわかる。
 今日の時代でも、サラリーマンの役員の妻が夫の仕事場を訪ねたら、社長に声をかけられ、2人きりで長々と話をするか?

 不自然な設定は、文が政治の世界にやたら首を突っ込んだり、高杉晋作に説教めいたことをいうなど、ほかにもいっぱいある。
「もってのほか」というしかない。

 高杉晋作が馬に乗って、通行禁止の「中の橋」を突破する場面があったが、描き方が中途半端だった。
 こういうところこそ高杉の真骨頂なので、もっと長めに描くべきではないのか。

 (城島明彦)


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