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2015/02/09

「花燃ゆ」(第6回)の視聴率は0・5ポイントアップ(13・3%)だったが……


何を描きたいのかはよく伝わってこない

 前回の視聴率(関東地区/ビデオリサーチ調べ)が12・8%とひどすぎたにしても、少しは伸びた。

 唯一の女囚である高須久子のことを描いていたが、資料があるわけではないから、どう描こうが自由だが、彼女は歌舞音曲に入れ込んでいたとの記録から「妖艶さが漂う美人」と決め付けているのはどうか。
 
 今の世の中を見渡してもわかるが、芸事に打ち込んでいる女性がすべて美人というわけではなく、むしろ美人の方が少ないのが現実。

 もっとも、映画やドラマでは主役や目立つ役どころは、美男美女が演じるのが普通ではあるが、美女という設定にするとそういう話をつくらなくなり、現実離れした絵空事になっていく危険性も高いのである。

 長州藩の牢獄の様子は、松陰の記述をもとにして詳細に再現しており、視聴者の関心も高いのではないか。
 のちに処刑されるまで放り込まれる江戸の獄舎と違って、かなり自由なところだったようだ。

 本田博太郎が演じている富永有隣(とみながゆうりん)という囚人がとんでもない奇人変人だったことは史実である。
 この男は、松陰のおかげで釈放され、松下村塾でも教えるが、恩をアダで返すことになる。国木田独歩の『富岡先生』という小説のモデルとなった男で、明治33年まで長生きする。

 松陰が込められている獄舎への使いは、家族の誰がいったかは、松陰の記録には書かれていないから、文がいったとしても間違いとはいえないが、ドラマに描かれたように気軽に他の囚人と口を聞いたかどうかは疑わしい。

 登場人物にテロップを入れるようになったのは、わかりやすくてよい。

 「視聴率はダメモト」と開き直って、とんでもない冒険をすれば、おもしろくなるかもしれない。

(城島明彦)

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