ちょっといい話「郵便局の親切に『ありがとう!』」
文句ばかりいっている私だが、今回はお礼を言いたい
昨日、郵便物を小脇に2つかかえて出かけた。
ひとつは、出版社宛のA4サイズの茶封筒。
もうひとつは、請求書を入れた縦長の普通の封書。
外出目的は、さらにもうひとつあった。
家にある大型コピー機が壊れたので、A4サイズのゲラをコンビニのコピー機でB4サイズに拡大するためだ。
なぜそんなことをするかといえば、当今はゲラチェックはメールに添付して送られてくるPDFで行うことが多くなっている。
しかるに、パソコンのプリンターはA4サイズである。
それをプリントアウトしたものに赤字を入れ、FAXで出版社に送るという二度手間をやっている。
PDFに訂正を書き込む作業ができないためにそういう面倒なことをやらざるを得ないのだ。
もっとも、パソコン画面でチェックすると、結構見落としが出るので、ゲラチェックはプリントアウトした紙で見るに限る。
(本題から少し脱線するが、原稿用紙に手書きすれば間違うことなどありえない文章をパソコンを使って打ち込むと、信じられないような誤記が多数出る。これは、誰もが経験していることではないか)
当日、外はあいにくの雨。
封書が濡れないように、もうひとつA4サイズの茶封筒を用意し、そこに入れた。
しかし、右手に傘を持っているので、左脇にかかえた4サイズの2つの封筒が何度となくズレそうになる。
そういう状態でバスに乗って、駅前の郵便局へと向かった。
バスの社内では、3歳ぐらいの女の子が泣きじゃくっている。
それを見た20代の女性が席を立った。
それでも女の子は坐ろうとせず、泣いている。
「ベビーカー! ベビーカーがいい。シートベルトがいい、シートベルト!」
と、ぐるっているのだ。
それを聞いて、笑えてきた。
泣く理由はわかったが、泣きやまないので、ほかの乗客も苦笑していた。
バスが駅に着くまで、その子は泣いていた。
そういうことがあったせいか、私が年をとってボケてきたせいか、郵便局のポストの前で封書だけ投函した後、局内で大型封筒を女性局員に手渡したとき、封筒に切手を貼り忘れていたことに気づいた。
「ポストから回収できませんか」
と私が尋ねると、
「回収しているのは本局なので、ここではできません」
といって、連絡先を書いた用紙をくれた。
さっそく本局に電話すると、
①料金不足のまま配達し、送付先から切手代82円をもらう。
②(私のところへ)封書を戻し、切手を貼りなおして再投函する。
のいずれがいいか、と尋ねられた。
私は最初、先方に払ってもらっておいて、あとから不足分の切手を送るか、(封書の中身は請求書なので)請求金額から82円分を差し引いて振り込んでもらうよう、メールで先方に連絡するかのどちらかにしようと思ったが、考え直して、私のところへ封書を戻してもらうようにお願いした。
送付先の会社名と住所(区だけしか覚えていなかった)・名前と私の住所と名前を告げると、翌日、郵便局の袋に其の封書を入れたものが自宅ポストに届いた。
そのスピードに驚いたが、封筒を開けると、封書の上に手書きの文章のある付箋紙が貼ってあって、
「いつもおせわにおります。一度戻させていただきます。
切手をお払いいただき、もう一度、ポストに投函してください」
とあり、末尾に「青葉郵便局 コールの係の人の名」が書かれていた。
かつては、「料金不足」と書かれたわら半紙のような縦長の紙がノリづけされ、はがすと汚くなるので、新しい封筒を用意する必要があったが、今は付箋紙をはがせば、あとは切手を貼り、再び出せるようにしてあり、「ありがとう」と声に出していいたくなるほど、はずんだ気持ちになった。
世の中、暗い話ばかりではなかったのだ。
(城島明彦)
« ここらで、ちょいと頭の体操、オイチ・ニッ・サン! | トップページ | 「花燃ゆ」の謎――「吉田松陰と女囚(高須久子)の秘められた恋」とは!? »