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2014/11/29

NHK大河ドラマ「軍師 官兵衛」の演出は秀逸!

〝華〞はないが、欠点やマイナス点がほとんどないドラマ

 大河ドラマ「軍師 官兵衛」は、あと数回で終わり。
 急用などで見られなかったのが1~2回あるが、それ以外はすべて見た。
 これまでの全体的な評は「よくできました」である。
 いつも辛口な私だが、「軍師官兵衛」には、珍しく高評価をつけたい。
 
 どうして高評価になったかの具体的理由は、以下に列記するが、〝華〞のない地味な感じのするドラマで、大きな欠点とかマイナス点がないのが大きな特徴だ。
 ならば、「いぶし銀」のような感じかというと、そういう地味さでもない。


◆「軍師 官兵衛」の5つの評価

①テーマが明確

 時代を読む眼力にすぐれ、3人の天下人に重用された武将。
 3つの絆(家族の絆、家臣らとの絆、同盟を結んだ他国の領主との絆)を大事にした男。
 「孫子の兵法」に精通し、奇想天外な策で、敵を撃破した稀代の軍師。

②脚本・演出が巧み

 歴史上の有名なエピソードを長々と説明することなく、手短にさらっと象徴的に描く演出技法は、なかなかのもの。
 たとえば、家康の演出。長政と飲んでいて、「酔ってしまった」といって部屋を出た家康を、廊下に出るなりシャキッとする演出は、実際にあったかどうかわからない話だが、「〝タヌキ親父〞と家康ならありそう」と思わせる。

 映画やドラマでは、こういう「説得力」が大事。他の登場人物にもいえる。
 過去のNHK大河では、演出家の力みがドラマに現れ、視聴者を白けさせる場面が多々あったが、「軍師 官兵衛の演出では力みが感じられなかった。
 音楽も出しゃばらず、好印象。

 見ていて、「あっ、カットが変わった」「音楽が流れた」と視聴者が思うような演出は失敗だ。視聴者が気づかないうちにカット代わりしていたり、音楽がバックに流れていたりする演出が最高。しかも、その場面やその音楽が、見 終わったあとにも脳裏に残っていれば、いうことなし。

 今回のドラマでは、カット変わりに気づかずにドラマの中に引き込まれることが多く、その意味ではすぐれた演出といえる。

③固定ファンがいて視聴率が安定

 視聴率は、高くも低くもなく、年間を通じて波がなく、安定。健闘したという印象。
 近年のNHK大河では珍しいパターンである。
 固定ファン(歴史が好きな男の視聴者)が多いからと考えられる。

④官兵衛に扮した岡田準一が好演

 主演の岡田は、顔も演技も派手ではないが、〝岡田官兵衛〞にはそれなりの説得力があった。「妻はただ一人」とする当時では異端的な考え方をした官兵衛の家族に対する考え方が、岡田準一のクリーンなイメージとも重なった。

⑤〝怪優〞竹中直人の秀吉が、話を面白くした

 肖像画の秀吉は、痩せた猿面冠者の顔だが、ドラマの竹中はふっくらしすぎ。役に徹するなら、もっと激痩せすべきだったが、それ以外では、古女房「おね」の手のひらの上で踊る秀吉を〝怪演〞。

(城島明彦)

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