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2014/10/12

「野毛坂47」はどうだ! 新曲は意表をついて「の~え武士」!

「ノー天気こばなし」はいかが?

 久方ぶりの料亭気楽(りょうていきらく)でございます。
 毎度ばかばかしいお話で――。

 「人は桜木、人は武士」なんてぇことを申しますが、
 やつがれ、今日は横浜は桜木町へ行って参りましたぞ。

 桜木町といえば、青江三奈の、
 ♪あなた知ってる? 港ヨコハマ 
  ドゥドゥドゥ・ドゥビドビ・ドゥビドゥバー
  伊勢崎あたりに 灯がと~もるゥ 
  あん、あん
 おっと、これは「伊勢崎町ブルース」。
 桜木町でしたな。

 桜木町といえば、
 花は桜木 人は武士
 武士といえば、「かつおぶし」。
 ぶすぶすと煙でかつおを燻(いぶ)すから、かつおぶし。
 かつおぶし――昔の日本人の知恵は素晴らしいですな。
 しかし、かつおならどんなものでもいいというわけじゃございません。
 姿かたちの美しいものに限るのでございます。
 
 「かつおぶす」はダメてぇことで――。
 いやいや、女の姿かたちではなく、〝男の中の男〞武士の話でしたな。
 
 いいですなあ、武士、「もののふ」!
 「もののふ」は「物部」(もののべ)氏に由来するなんてぇことを江戸の兵学者・山鹿素行(やまがそこう)が、『孫子の兵法』の注釈書『孫子諺義』(そんしげんぎ)でいうておりますな。
 兵学者のいうことだけに「へえ」と驚いてしまいますが、本当の話ですぞ。
 山鹿素行は、大石内蔵助ら赤穂義士の先生だった人ですな。
 幕末の吉田松陰が「先師」と仰いだのも、この素行ですぞ。
 ついでではありますが、松陰が勉強した部屋はどこかといえば、「書院」というのは嘘ですな。

 てなわけで、「もののふ」の始まりは物部氏。そういうことでございます。
 物部氏といえば、蘇我(そが)氏にやられてしまった名門ですが、その蘇我氏も、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と中臣鎌足(なかとみのかまたり)に殺されてしまうのですから、これが本当の大忙し。

 もののふに似合う花は桜花でありますが、いまは秋。紅葉の季節でございます。
 といっても、今年は猛暑がながびきましたな。
 そのせいで、まだ紅葉してはおりませんで、風情も何もあったものではありません。

 やつがれ、桜木町は紅葉坂をおっちらおっちらと登ったのでございます。

 ♪目指すは遠い 夢の国
   ルソン 安南 カンボジア (遠い昔のラジオ連続ドラマ「風雲黒潮丸」主題歌の一節)
 ではなく、やつがれが目指したのは坂の中腹にある神奈川県立図書館でございます。

 登る坂は、その名もゆかし紅葉坂。
 返り見すれば、月などなくて、眼下はるかに寄せては返す高瀬波。
 いやいや、そこまではみえませんな。
 ただ海のどんよりとした青い広がりが見えるだけでしたな。 

 ところがギッチョン、やつがれ、寄る年波で、アギーレもあきれる息きれぎれ、ハラホロヒレと坂を登って館内に入ったのでございます。

 ほとんど人はおりませんで、閑古鳥が鳴いておりましたぞ。
 おまけに館内に流れる音楽が「閑古ワルツ」ってえことは100%ありませんが、探す「禁帯図書」(持ち出し禁止本)は、そこではなかったのでございます。
 うっかりして横浜市立中央図書館を県立図書館と勘違いしておったのでございます。
 年はとりたくありませんな。

 でもって、またしても、紅葉坂を登りますてぇと、ケルン大聖堂のような妙ちくりんな尖塔のある妙なつくりのホテルができておりましてな、なんともおかしな景色でございます。

 でもって、坂をさらに登ってまた下り、交差点をちょいと登って目指す横浜市立中央図書館へたどり着いたのでございます。

 中はと見れば、驚き、桃の木、ハイヒール桃子、こちらは、ずいぶんにぎわっておりましたぞ。

 幼児づれの若い夫婦、中学生・高校生・大学生、それにジジババで、館内はいっぱい。
 そこで一句。

 ジジババが 持つ紙袋 ジバンシー
 
 10冊まで借りられるとかで、大人気。
 盗難・紛失も大変な数だそうでございます。

 閉館は五時。
 しかし、「禁帯本」のコピーは時間切れで、残りは明日に持ち越し。
 外に出ると、そこは名にし負う「乃木坂」じゃなかった、「野毛坂」(のげさか)でございます。
 坂の右側をちょいと入りますてぇと、たちまち昭和の「飲み屋街」にタイムスリップでございますな。
 
 焼鳥屋、もつ屋、カウンター式の飲み屋などがぎょうさん軒を連ね、垢抜けない妙なファッションのおっさん、おばさん、ジジババ、若者の客がいっぱいで、逆さクラゲ時代のなごりの「○○ホテル」などという安宿まである界隈(かいわい)でございます。

 やつがれは下戸(げこ)ゆえ、その中の一軒の中華食堂でヨコハマ名物の「サンマーメン」と「餃子」を食べて野毛をあとにしたのでございます。

 猥雑さいっぱいの飲食街をそぞろ歩いて駅へと向かう道々、「乃木坂46」にあやかって、「野毛坂47」をデビューさせるアイデアが閃きましたぞ。

 「のぎさか」に比べると、どこの毛かはわかりませんが、「のげさか」は何となく下品でして、そこが桜木町にぴったりなんですな。

 47はむろん、「赤穂四十七士」にちなんでおりますぞ。
 よって、芸名も赤穂義士から借用。

 主だったメンバーの名前を挙げますてぇと、

 大石クララ(←大石内蔵助)
 堀部やす美(←堀部安兵衛)
 片岡げんこ(←片岡源五右衛門)
 磯貝ジュン(←磯貝十郎左衛門)
 堀部やち(←堀部弥兵衛)

 こんな按配(あんばい)の47人ですな。
 堀部弥兵衛は最年長で76歳ではありますが、そこんところは目をつむりますぞ。

 新曲のタイトルは「の~え武士」。曲は、そのまま流用いたします。
 赤穂義士の討ち入りの日は大雪でございましたから、こんなで出しでございます。

 ♪野毛の白雪ゃ の~え 
   野毛の白雪ゃ の~え 
   野毛のさいさい

 なぬっ? 「の~え節」の歌詞の出だしは、野毛じゃなくて「富士」?

 そうそう、そうでした、ふじが第一。
 「の~え節」(農兵節)は野毛ではなくて富士でしたな。
 なんたって、ふじは「不死」と「無事」にかけられますからな。

 歌詞をちょいとイジリますかな。

 ♪富士の白雪きゃ 野~毛
  野毛の白雪きゃ  の~え
  野毛の富士富士
 
 これでどうでしょう。

 おあとがよろしいようで――。

 Photo
※9月25日発売
 2015年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公文(ふみ)の兄・吉田松陰の遺書と彼の人生について書いた城島明彦の本。
 ぜひ一冊、お手元に!

 (城島明彦)

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