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2014/09/28

大相撲は、もはや「国技」ではない


モンゴル人と日本人とでは相撲の身体能力が違いすぎる

 陸上競技では、日本人はマラソンが得意だが、アフリカの高地に国がある民族には叶わない。
 短距離は、アフリカ系黒人がダントツの俊足を誇っている。

 バレーの強い民族、バスケットの強い民族、水泳の強い民族……といったように、どの民族にも得手不得手がある。

 そういう視点で、大相撲を眺めてみると、日本人の身体能力は、明らかに〝モンゴル相撲〞の国、モンゴル民族に劣っている。

 ぶっちぎりの強さだった朝青龍。
 ほとんど無敵、記録を塗り替えまくる白鵬はモンゴル人。
 日馬富士、鶴竜、白鵬――横綱はすべてモンゴル出身。
 40歳で幕内力士、しかも勝ち越した旭天鵬もモンゴル人。
 新入幕なのに大関や横綱相手に「待った」はするわ、はたき込んで勝つわ、ふてぶてしさは横綱級の逸ノ城もモンゴル人。

 一方の日本人力士はといえば。
 大器といわれながら〝ノミの心臓〞が災いし、横綱昇進のチャンスを逃す稀勢の里。
 才能がありながら大関にはほど遠い隠岐の海。
 がっぷり四つで白鵬を堂々と寄り切る力がありながら、もろい負け方が目立つ豪栄道。
 躍進が期待されながら取り口を研究されて大負け、期待はずれの遠藤。


日本人が小さいから柔道に階級制を設けた

 大相撲と同じく、日本の国技とされてきたのは柔道である。

 「小よく大を制す」が日本の柔道の特徴だった。
 体のでかい者が小さな体の者を圧倒するのは当たり前。
 だが柔道は、そうではなかった。
 体の小さい者が体の大きいものを、相手の勢いなどを利用して放り投げ飛ばす。 
 それが柔道の醍醐味だった。

 ところが、柔道が世界各国で愛好されるようになると、「小が大を制す」とばかりも行かない「体力差」という現実に突き当たった。


東京五輪で日本古来の柔道は消えた

 柔道が、いまからちょうど50年前の1964年に開かれた東京五輪大会で初めて正式種目に採用されたとき、全日本柔道連盟は、最強の柔道王者を決める無差別級の巨人ヘーシンクの相手に神永昭夫を選んだ。

 この神永、試合直前にじん帯を断裂していながら、そのまま試合に臨み、身長・体差で大差のあるヘーシンクに赤子の手をひねるように簡単にやられてしまった。
 自信があったのかもしれないが、柔道をなめていた。
 ケガに気づかなかったコーチたちも悪い。
 
 神永は決勝で敗れて銀メダルは取ったものの、日本国民を失望させた。

 ヘーシンクが相手であれば当初から猪熊功を出すべきだったが、全日本柔道連盟は猪熊より上背がまさる神永を選んだ。
 この人選ミスで、五輪主催国の日本は、国技でありお家芸である柔道の王者になれなかったのだ。

 猪熊は重量級に回され、金メダルを取った。


日本の柔道には「階級制」はなかった

 階級制が設けられた時点で日本の柔道は滅びた、と私は思っている。
 世界の男女がスポーツとして楽しんでいる現在の柔道は、日本古来の柔道ではなく、そこから枝分かれした〝新種の柔道〞であり、それを否定するつもりはない。

 一方、相撲も、若乃花や栃錦が活躍した昭和30年代の力士とは、身長も体重もおそろしく大型化しただけでなく、肉食系で巨人の外国人が土俵をにぎわせ、プロレスまがいの乱暴な技や取り口が目に付くようになった。

 だが、相撲には階級制はない。階級制を設けたら、取り組みが成立しなくなる。
 稽古して腹をすかせ、食べまくって寝て、太らせる。
 それが力士だ。

 能力はあっても、軽量に泣いて横綱や大関になれなかった力士は掃いて棄てるほどいる。
 だから、どんどん食べてどんどん太るようにする。
 そういう無茶を繰り返す反動は、引退後にやってくる。
 力士は、まず例外なく早死にしているのだ。


大相撲もまた、もはや日本古来の国技ではない

 相撲は、その姿かたちや土俵入りなど、昔の伝統を継承しているために、古来のものと思いがちだが、それは表面上だけで、さまざまな変化を見据えると、現在の大相撲は「古来の相撲とは似て非なるもの」というべきではないかと思えてきた。

 白鳳がガッツポーズさながら懸賞金の束を高く掲げて見せたり、日馬富士も鶴竜も、白鵬までもが張り差しや張り手といった横綱にはふさわしくない〝下品な技〞を繰り返す。

 碧山(あおいやま)は顔面に突っ張りをかまし、大砂嵐は「かちあげ」という技を勝手に誇大解釈して、ヒジで相手のあごを砕きに行く反則まがいの技を乱発している。

 横綱日馬富士は、めったに見られない反則技「髷(まげ)つかみ」をふり返す。

 それが時代の流れというべきなのか。

 
 (城島明彦)

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