笑激の新作「犬棒歌留多」(いぬぼうかるた)はいかがかな
第一部 八つぁんと熊さんの「犬棒歌留多」
料亭気楽の本日のお題は、江戸の昔からある「犬棒歌留多」(いぬぼうかるた)でございます。
今年の正月、八つぁんと熊さんが、例によって、妙な会話をしておりましたな。
八つぁん「犬も歩けば?」
熊さん「藪から棒になんだい」
八つぁん「おっ、犬と聞いて棒を出すとは、なかなかやるじゃないか」
熊さん「こちとら戌(いぬ)年だい」
八つぁん「なら、ちょうどいいや。犬棒歌留多(いぬぼうかるた)といこうじゃないか」
熊さん「合点、承知の助だ」
八つぁん「じゃあ、もういっぺん聞くぞ。犬も歩けば?」
熊さん「坊主に出会う」
八つぁん「今度は棒を避けたね。りこうな犬だ。もういっぺん聞くぞ。犬も歩けば?」
熊さん「呆然じしつ。じしつは、自分を失うじゃないぞ、自室だ。おめえみたいに耄碌(もうろく)しちまった老犬が、自分の部屋で呆然としているって意味だ」
八つぁん「耄碌はそっちじゃねんか。耄碌してないかどうか、試してやる。もういっぺん答えてみろ。犬も歩けば?」
熊さん「ボウルに当たる」
八つぁん「う~む。公園にいる犬だな、子どもたちがサッカーボールで遊んでいるという設定か」
熊さん「そうじゃねえやい。ボールじゃなくて、ボウル。てめえのことだ」
八つぁん「ん?」
熊さん「ざまあみやがれ、ボウルは台所にある鉢のことだい。わかったか、八」
八つぁん「いいやがったな。なら、もういっぺん答えてみろくぼさつ(弥勒菩薩)。犬も歩けば?」
熊さん「暴漢に出会う」
八つぁん「意地でも棒をださねえときたか。しかし、もうネタがつきたろう。もう一度聞くぞ」
熊さん「おめえもしつこいな」
八つぁん「いいから答えな。犬も歩けば?」
熊さん「ボーイズ・ビー・アンビシャス!」
八つぁん「なんだい、そりゃあ。とうとうネタが尽きたようだな。とどめだ。犬も歩けば?」
熊さん「房総半島」
八つぁん「う~ん。まだギブアップしないか。しつこいといわれたからには、もういっぺん聞いてやる。犬も歩けば?」
熊さん「防寒具をつける」
八つぁん「しぶとい野郎だ。もうねえだろう。犬も歩けば?」
熊さん「帽子をかぶる」
八つぁん「防寒具の次は帽子か。おなじようなもんじゃねえか。いよいよネタがつきたとみえるな。犬も歩けば?」
熊さん「くどいな、てめえも」
八つぁん「つべこべいわずに答えてみな」
熊さん「これで最後にしてくれ。きりがねえ」
八つぁん「よし、これでおしまいだ。犬も歩けば?」
熊さん「坊やよい子だ、ねんねしな」
八つぁん「……」
熊さん「おい、八。てめえが寝ちまってどうする!?」
おあとがよろしいようで。
第二部 料亭気楽改め城島亭明之丞(あきのじょう)の「平成・犬棒かるた」
はてさて、本日は大判ふるまいでございます。続いて、城島亭明之丞が嵐のような早業ででっちあげましたる「平成・犬棒かるた」とまいりますぞ。
い……犬も歩けば棒にあたる⇒犬も老いればボケまくる(獣医)
ろ……論より証拠⇒論より証拠隠滅(弁護士)、論より中川翔子(オタク)
は……花より団子⇒花より団子鼻(整形美容外科医)
に……憎まれっ子 世にはばかる⇒憎まれっ子ほど大出世じゃ(政治家)
二階から目薬⇒二階から放尿(安アパート住人)
ほ……骨折り損のくたびれ儲け⇒骨折り ゾンビと化す(ホラー作家)
仏の顔も三度⇒ほっとけ! 顔はサンドバッグだ(打たれ強いボクサー)
へ……屁をひって尻すぼめる⇒屁をこいて知りません顔(ラッシュ時のOL)
下手の横好き⇒ヘタの上手な利用法(料理研究家)
と……年寄りの冷や水⇒年寄りの冷やかし客(バーのママ)
豆腐にかすがい⇒豆腐に春日井の甘納豆(甘党好き親父)
ち……灯台下(もと)暗し⇒東大 元東京帝大(文科省役人)
塵も積もれば山となる⇒チリは積もってもアルゼンチンにはならぬ(予備校教師)
り……良薬は口に苦し⇒良薬と偽り大儲け(製薬会社営業マン)
律義者(りちぎもの)の子だくさん⇒リッチ者の具たくさん(億万長者)
ぬ……沼地にも蓮の花⇒沼地にもメタンガス(原発反対おばさん)
盗人(ぬすっと)の昼寝⇒ごそっと昼泥棒(石川五右衛門の末裔)
ぬかに釘(くぎ)⇒ぬかるみに釘を落とす(大工見習い)
る……瑠璃も針も照らせば光る⇒瑠璃(るり)も針も磨けば凶器(マル暴デカ)
を……老いては子に従え⇒老いては子を叱咤激励(松岡修三)、老いても子づくり(聖職者)
鬼も十八⇒鬼の重箱(「お宝鑑定団」大好き爺さん)
わ……笑う門(門)には福来(きた)る⇒笑う過度には精神科医(吉本興業社員)
割れ鍋(なべ)に綴(と)じ閉じ蓋(ぶた)⇒我ナベだ なべやかん(たけし軍団)
か……かわいい子には旅をさせよ⇒かわいい子には熱湯浴びせ(鬼母)
かったいの 瘡(かさ)恨み⇒かったい(固い)のだ~い好き(好色娘)
よ……葦(よし)の髄(ずい)から天井のぞく⇒「よし」とうなずく常習覗き(出歯亀男)
夜目遠目傘のうち⇒余命いくばく傘心中(近松門左衛門ファン)
た……旅は道ずれ世は情け⇒旅は道ずれ 余は股ズレじゃ(徳川家子孫)
立て板に水⇒立て板にションベン(トイレが近い爺さま)
れ……礼儀も過ぎれば失礼になる⇒礼儀だぞと杉良太郎 喉元ぷるぷる(意味不明人)
良薬(れいやく)は口に苦し⇒例のヤクは 口に快感(麻薬中毒者)
そ……損して得取れ⇒損した徳田虎雄(猪瀬直樹)
総領(そうりょう)の甚六⇒僧侶のでんろく豆(駄菓子屋)
袖すり合うも他生の縁⇒ソテーすり合わせ 多少の胡椒(場末の料理人)
つ……綴(つづ)れを着ても心は錦⇒綴りを間違い心ボロボロ ※「綴れ」とは、ぼろ着じゃぞ。
月夜に鎌を抜く⇒月夜にオカマを掘る(おすぎとピーコ)
ね……念には念を入れよ⇒念には念で応(こた)えよ(貞子)
猫に小判⇒迷い猫に交番(ドラえもん)
な……泣きっ面に蜂⇒泣きっ面に鉢(植木職人)、泣きっ面にハチミツかけて(SM女優)
ら……楽あれば苦あり⇒楽あれば苦しゅうない(バカ殿志村けん)
む……無理が通れば道理引っ込む⇒無理を通せばおなか引っ込む(エアロビクス美容家)
う……嘘から出た実(まこと)⇒嘘だろデルモンテ(カゴメ社員)
ゐ……井の中のかわず⇒胃の中のかわず(ゲテモノ食い)、井の中で交わす(エロ作家)
芋の煮えたのご存じない⇒芋の干したの味噌汁ない?(和食主義者)
の……喉元過ぎれば熱さ忘れる⇒喉元過ぎればディープスロート(往年のAV女優)、喉元過ぎれば快感倍増(新進のAV女優)
お……鬼に金棒⇒鬼に金玉(SF愛好家)
く……臭いものに蓋(ふた)⇒臭いものに消臭剤(小林製薬セールスマン)
果報(くわほう)は寝て待て⇒家宝は寝ている間に売られた(恐妻家)
や……安物買いの銭失い⇒安物買いなら100円ショップ(デフレ論者)
闇夜に鉄砲⇒闇夜に鉄砲水(山登り初心者)
ま……負けるが勝ち⇒負けるは負け(相撲解説者)
蒔かぬ種は生えぬ⇒蒔かぬ子種は生まれぬ(不能亭主)
け……芸は身を助くる⇒ゲイは身を助ける!!!(マツコデラックス)
ふ……ふぐは食いたし命は惜しい⇒ふぐは食いたし金はなし(下関の貧乏人)
文(ふみ)はやりたし書く手はもたぬ⇒フミとやりたし掻く手はあるぞ(度胸のない青年)
武士は食わねど高楊枝⇒藤は食えないし楊枝も無理(植木屋)
こ……子は三界の首枷(くびかせ)⇒子は三階の居酒屋でバイト(のんき母)
転ばぬ先の杖⇒転んだ先のツエツエ蝿(ばえ)(保健所員)
え……得手(えて)に帆を上げ⇒エテ公に干し柿(日光猿軍団)
て……亭主の好きな赤烏帽子(あかえぼし)⇒亭主の好きなエロ漫画(出版社編集者)、亭主の好きな干し鰯(いわし)(のんべえ妻)
あ……頭隠して尻隠さず⇒頭隠して×××隠さず(AV男優)
さ……猿も木から落ちる⇒猿も木耳(きくらげ)が好き?(幼稚園児)
三べん回って煙草にしよう⇒さんべんクソするクスリの仕様(薬剤師)、三べんすすってワンコそばおかわり(そば好き青年)
触らぬ神にたたりなし⇒触らぬかみさんに生理なし!?(宿六)
き……聞くは一時(いっとき)の恥⇒聞くは一徳の恥(岸部シロー)
聞くは当座の恥⇒聞くな当座の金はない(岸部シロー)
聞いて極楽 見て地獄⇒聞いてこく楽、見てしごく(せんずりマニア)
ゆ……油断大敵⇒油断太地喜和子(たいちきわこ)とタコ八郎(ノスタル爺さん) ※どちらも水死
め……目の上のたんこぶ⇒目の上の眉毛(村山富市元首相)
み……身から出た錆(さび)⇒身から出た大グソ(ギャル曽根)
し……知らぬが仏⇒知らぬか? ホットケーキ(パティシエ)
ゑ……縁は異なもの味なもの⇒円はいいもの貯めるもの(アベノミクス推進者)
ひ……貧乏暇なし⇒貧乏暇だらけ(フリーター)
瓢箪から駒⇒瓢箪がない困ったな(養老の滝の店主)
も……門前の小僧習わぬ経を読み⇒悶絶! 膝小僧 習わぬ動きをし(性に目覚めた少年)
餅は餅屋⇒気持ちは気持ちや(大阪の詭弁家)
せ……背に腹は変えられぬ⇒背に腹がくっつきそう(断食チャレンジャー)
急(せ)いては事をし損じる⇒咳(せ)いては今年も仕事休む(病気がちのサラリーマン)
す……好きこそものの上手(じょうず)なれ⇒好きこそモノマネ上手なれ(コロッケ)
雀百まで踊り忘れず⇒雀百羽うるさくてかなわん(睡眠不足老人)
ん……ん?
というわけで、お楽しみいただけましたですかな。
(城島明彦)
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