「八重の桜」第42話「襄と行く会津」は、ホロリとさせて視聴率アップ
単純明快でユーモアがあるドラマが受ける世の中
「八重の桜」第42話「襄と行く会津」は、タイトルが示すように、新島襄と再婚して京都で暮らしていた八重が、夫や姪(兄覚馬の先妻「うら」の娘「みね」)と会津を訪ねる話だったが、みねが別れた生母と再会する場面は、感動的で泣けた。
結婚しているみねが「一緒に暮らそう」と誘うが、うらは断わる。
その場面もせつない。
そういうシーンも手伝ってか、視聴率は、この時期にあっては健闘したというべきか。
「半沢直樹」最終回に放送された第38話(9/22)「西南戦争」の11.9%で底を打ったようなかたちで少し持ち直し、第39話(9/29)「私たちの子ども」13.3%、第40話(10/6)「妻のはったり」12.4%、第41話(10/13)「覚馬の娘」12.4%と来て、第42回は14.8%に上がったのだ。
※視聴率は、関東地区の数字/ビデオリサーチ調べ。
とはいうものの、朝ドラ人気には負けている。
「じぇじぇじぇ」の「あまちゃん」は、話はデタラメだが、明るくて、おかしいところが受けた。
その後の「ごちそうさん」も、色気より食い気の〝大食い女〟の、ユーモラスが受けている。
それにしても、いまのテレビ(地上波)は、朝から晩まで食い物の話ばかりだ。
いまの時代は殺伐としている
殺伐とした世の中だからこそ、複雑に入り組んだ話より単純明快で笑える話、バカバカしいが、どこかほのぼのとする話、スカッとする話を視聴者は求めている。
「半沢直樹」などその典型。絵にかいたような「やられたら、耐えに耐えた後、やりかえす勧善懲悪ドラマ」だ。
大河ドラマはそうもいかないから、苦戦しているのではないか。
うまく育てば、将来、大物になれる「みね」役の三根梓
みねを演じている女の子が三根梓(みねあずさ)という名前なのは偶然か?
1991年12月生まれの彼女、きりっとして、目力があり、昔の日本美人を思わせる顔立ちで好感が持てる。
母親役の長谷川京子と顔立ち、とくに目元が似ており、NHKは、そういうところも考えて選んだのかもしれない。
ドラマとは何の関係ないが、明治生まれの私の祖母の名も「みね」だった。明治は遠くなりにけり。
(城島明彦)