実際にあった話「降霊」
亡くなった人を思ったときは近くに霊魂が来ている
ふと亡くなった人のことを思うことは誰にもあるが、そういうときは、その人の魂がすぐ近くに来ているときではないか、と私はずっと思ってきた。
そういうときは、心の奥で、その人の霊が安らかに眠るように祈ればいい、それが供養で、墓参りとか仏壇に手を合わせることだけが、霊を弔うことではない、と私は思っている。
亡くなった人の霊魂が、虚空から地上に降りてくることを「降霊」という。
ひと月たらずで死んだ叔母の霊魂
つい先日、先祖の戸籍を調べていて、不思議な現象に遭遇した。
私の叔母にあたる人の名が記された戸籍の欄を目にしたとき、不意に少し肌がざわつく感じになり、涙が急にあふれてきたのである。
その人は、私の亡父より6つ年下の妹だった人だが、生まれて1か月たらずで天に昇っている。
私が生まれる20数年も前の出来事だから、無論、どういう顔の赤ん坊だったのかは知るよしもない。
大正12年(1923年)2月12日に生まれ、2月24日に役所に届け出たと戸籍簿に記されている。
すべて2の倍数というのが不思議である。
彼女は3女だったが、次女はなくなっていたから、そのまま生きていたら次女(2女)である。
2月生まれなのに、どういう訳か、祖父母は「やよい」という名をつけた。
「栄え繁る」という願いを込めて「やよい」としたのだと思うが、弥生は陰暦3月のことである。
彼女は、弥生3月の10日午後5時に亡くなった。
だが私は、彼女の遺骨がどこの墓に埋葬されているのかを知らない。
戸籍簿のコピーを見ながら、私はその叔母の冥福を祈った。
(城島明彦)
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