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2013/08/28

若者の親切を台なしにした老女の常識のなさを嘆く

こころ優しい若者も増えている

  最近、電車のなかで、たて続けに身重の女性や足の不自由な老女たちに、席を譲る若者たちを見た。

  何日か前には、私の隣の席に座っていた1人の青年が、慣れたところに立っている老女のところまでわざわざ近づいていって、自分の席に座るようにといいにいった。

  ところが、その老女、その親切を拒否した。

  二人の会話は聞こえなかったが、老女は、次の駅ででも降りるから、座らなくてもいいと答えたのかもしれない、と私は思った。

  しかし、その老女は、次の駅でも、その次の駅でも、そのまた次の駅でも降りず、そのまま乗り続けていた。

  席を譲ろうとした青年は、元の席には戻らず、自分も立ったままでいた。

  すると、途中の役で乗ってきた若い男が目ざとくその席を見つけて、さっと座ってしまった。

  その間、私は、老女がなぜ席を譲られることを拒んだのか、その老女の顔を観察しながら考えていた。  

  ――私はまだ若い。座る必要などない。ありがた迷惑だ。

  そんな思いから断わったに違いない。そんな小面(こづら)憎い顔つきをしていた。

  私は思った。

  ――青年から見れば、そして高齢者である私から見ても、あんたは席を譲られるのにふさわしい顔つき、体つきをしているよ!

  私は次第にその老女に対して腹が立ってきた。

  ――大人げない女だ。座りたくなくても、「どうも、ご親切にありがとう」と礼をいって、座ってやるのがエチケットというものじゃないのか、このクソ婆ァ!
 

 (城島明彦)

  

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