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2013/08/28

若者の親切を台なしにした老女の常識のなさを嘆く

こころ優しい若者も増えている

  最近、電車のなかで、たて続けに身重の女性や足の不自由な老女たちに、席を譲る若者たちを見た。

  何日か前には、私の隣の席に座っていた1人の青年が、慣れたところに立っている老女のところまでわざわざ近づいていって、自分の席に座るようにといいにいった。

  ところが、その老女、その親切を拒否した。

  二人の会話は聞こえなかったが、老女は、次の駅ででも降りるから、座らなくてもいいと答えたのかもしれない、と私は思った。

  しかし、その老女は、次の駅でも、その次の駅でも、そのまた次の駅でも降りず、そのまま乗り続けていた。

  席を譲ろうとした青年は、元の席には戻らず、自分も立ったままでいた。

  すると、途中の役で乗ってきた若い男が目ざとくその席を見つけて、さっと座ってしまった。

  その間、私は、老女がなぜ席を譲られることを拒んだのか、その老女の顔を観察しながら考えていた。  

  ――私はまだ若い。座る必要などない。ありがた迷惑だ。

  そんな思いから断わったに違いない。そんな小面(こづら)憎い顔つきをしていた。

  私は思った。

  ――青年から見れば、そして高齢者である私から見ても、あんたは席を譲られるのにふさわしい顔つき、体つきをしているよ!

  私は次第にその老女に対して腹が立ってきた。

  ――大人げない女だ。座りたくなくても、「どうも、ご親切にありがとう」と礼をいって、座ってやるのがエチケットというものじゃないのか、このクソ婆ァ!
 

 (城島明彦)

  

2013/08/26

「八重の桜」(第34回「帰って来た男」)で、八重が歌った賛美歌「Jesus Loves Me」(主我を愛す)


「倍返しだ」は「アベノミクス」に次ぐ今年の流行語大賞候補

 8月最後の日曜(25日)の連続ドラマでは、「八重の桜」に続いて見た「半沢直樹」(第6話)が面白く、期待しながら見てしまった。

「半沢直樹」は人気が加速化し、視聴率は前週と同じく29.0%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)だったが、瞬間最高視聴率では前週を超えていた。

 銀行の本店の金庫を開ける場面など、普通の人が知らない暗証番号のことをストーリーに織り込んでいるのも、視聴者の興味を弾いているのではないか。
 
 悪役や悪役が土下座するシーンはワンパターン化しているが、これも〝現代版・水戸黄門〟。

 視聴者は、悪の限りをつくして立身出世し、権力を手に入れた連中を、〝正義の味方〟半沢直樹が、こらしめ、最後は「ヘヘーッ」と土下座して謝ることで、溜飲を下げるのである。


土曜ドラマ「夫婦善哉」は傑作。尾野真千子が迫真演技

 前日は大阪NHKが制作した土曜ドラマ「夫婦善哉」(4回放送の第1回)をつい見てしまったが、これは傑作。
 映画のような凝った撮り方をしているだけでなく、時代考証も念入りで、金もかけている。

 大河ドラマのような「長丁場もの」は、いまのように忙しい時代には向かない。
 せいぜい4回連続ぐらいで話が完結しないと、1年近く毎回欠かさず見るのは難しい。

 「夫婦善哉」では、役者の関西弁も板についており、特に妻役の尾野真千子は、こてこての大阪弁が自然で、大阪女としての存在感がにじみ出る演技だった。

 親から勘当される大店のどら息子役の森山未来は、いまひとつだが、それでも、情けなくて頼りない風情をよく出している。

 脚本は、悪名高かった大河ドラマ「平清盛」を手がけた藤本有紀と知って驚いた。
 あれだけの失敗をしても、またチャンスを与えられるのだから恵まれている。
 今回の脚本は、織田作之助の原作がしっかりしていることもあるが、1回目を見た限りでは、よくできていたと評価できる。


八重の視聴率は、そこそこ

 大河ドラマ「八重の桜」は、八重がアメリカ留学の経験がある日本人宣教師の新島襄と出会い、プロポーズされ、やがて再婚するというあたりまで進んできた。

 ドラマとしては、個人的には、血なまぐさい幕末の会津戦争より、明治時代の物語の方が好きだ。

 視聴率を見ると、7月より多少ではあるが伸びている。
 ▼7月……7日12.9%、14日16,6%、21日14.5%、28日12,6%(月平均14.1%)
 ▼8月……4日15.4%、11日13.9%、18日15.9%、25日13,4%(月平均14,6%)


八重が歌った賛美歌「主我を愛す」の思い出

 八重が外人宣教師から賛美歌を習っている場面で、「Jesus Loves Me」が使われていた。

 この賛美歌は子ども向けにつくられた曲で、私も小学3年生のときに通っていた教会の日曜学校で覚えた。

 ♪ 主我を愛す 主は強ければ
   我弱くとも 恐れはあらじ
   わが主イエス わが主イエス
   わが主イエス 恐れはあらじ

 「ソ・ミ・ミ・レ・ミ・ソ・ソ~」で始まる、とてもシンプルな曲でありながら、胸が震えるような旋律で、私はクリスチャンではないが、いまでも折に触れて「主我を愛す」という詞と旋律が口をついて出てくる。

(城島明彦)

2013/08/12

「八重の桜」第32回13.9%(1.5%ダウン)VS「半沢直樹」第5話29.0%(1.4%アップ!――視聴率は、今度は「倍返し以上」だった


「半沢直樹」の瞬間最高視聴率は31%

 「半沢直樹」人気が示しているのは、「正義は勝つ」が現実ではなかなかなく、せめてドラマで主人公が権力者に敢然と挑んで、完膚(かんぷ)なきまでに叩きのめす話に拍手喝采するという図だ。

 現実に不満をいだいている「やられっぱなしの人」がいかに多いかの証拠だ。


第5話は、事が簡単に運び過

 これまでの国税庁の査察話と比べると、8月11日の第5回のその後の話の展開と結末がちょっと調子よすぎた観なきにしもあらずだが、威張り散らしていた支店長の悪事を暴いて土下座させるという図はスカッとするが、支店長の妻が自分の妻と重なって手心を加えるという「情に揺らぐ」経緯は、いささか安易で歯切れが悪かった。

 「倍返しだ!」「10倍返しだ!」と、さんざんいってきた男が、情にほだされるという演出は、いかにも安っぽい。

 半沢を突き動かしてきたものは、平然と弱者をつぶしてしまう強者の悪であり、それに対する副賞うの念だ。

 ちょっとした情でそれが揺らぐような人間なら、とうの昔に妥協してしまって復讐のことなど忘れてしまうか、適当な言い訳を設けて忘れてしまっているはず。

 常識的に考えると、ネジを製造する町工場を経営していた自分の父親(笑福亭鶴瓶)を自殺に追い込んだ銀行へ就職する人間はまずいないし、ドラマでは父親を自殺に追いやった銀行マン(香川照之)が、実は半沢直樹の人事的を含めた生殺与奪の権利を一手に握っている現常務がいるという話や、その男にどうやって復讐するかということも、現実にはありえない。


半沢直樹は〝平成の庶民版水戸黄門〟か

 5億円を猫ババした実業家の愛人(壇蜜)が、いとも簡単に旦那を裏切って、海外の隠し講座の通帳を半沢直樹に渡すという設定も、現実にはまずありえない。

 そう考えると、かなり割り切ったご都合主義的なストーリーであり、人物構成といわざるをえないが、逆の言い方をすると、そのような大胆で劇画的な話に仕立てたことで、絵にかいたような勧善懲悪劇となり、見ていてスカッとするのかもしれない。

 最後に、それまで自分をいじめてきた支店長に土下座させて許してやるところなどは、水戸黄門の印籠場面と共通するところがあり、剣道の達人であるという設定も含めると、半沢直樹は〝平成の庶民版水戸黄門〟ともいえる。


一方、「八重の桜」は同志社の舎監となって新しい人生を歩む八重の話

 八重、八重の母は、京都にある八重の兄覚馬の屋敷に移り住んで暮らすなかでの出来事が描かれた。

 覚馬と生き別れた先妻との間に生まれた娘が義母に反発していたが、やがて同調する。
 
 後妻を演じている女優(谷村美月)は、言葉数の少ない女で、最初はおどおどする女性として演じていたが、次第に覚馬の妻として女堂々と振舞い、八重や八重の母に暗黙のプレッシャーを与える役柄を名演していた。

 八重は、やがて同志社大の創設者新島襄(オダギリジョー)と知り合い、再婚する展開になることは歴史が示しているが、そこへ至るまでの八重の心境や言動を大河ドラマは描いている。

 同志社大学は、薩摩屋敷跡に建てることから、西郷隆盛と八重が直接会話する場面がドラマにはあったが、現実ではそういうことがあったかどうかは不明だ。


綾瀬はるかの右の額の「カンスジ」(血管の盛り上がり)がいい

 八重を演じる綾瀬はるかの右の額に浮かぶカンスジが、なかなかいい。
 若い女性としては、美しくはないが、何かの拍子に浮かび出る。
 これを自在に操っているとすれば、名女優だ。

(城島明彦)

2013/08/07

8月4日の「半沢直樹」の第4回「10倍返しだ!」の瞬間最高視聴率(30%)は、「八重の桜」(15.4%)の倍返しだッ!

「半沢直樹」人気が「八重の桜」にも波及

 コーヒーを飲み過ぎたせいか、眠れないので、「深夜便」というより「夜明け便」だッ。

 8月4日の「八重の桜」(第31回「離婚のわけ」)の視聴率は15.4%と健闘したが、NHKはそれを手放しでは喜べない。

 なぜなら、八重の家族が崩壊するという〝泣かせる話〟だったからではなく、午後9時から始まるTBSの日曜劇場「半沢直樹」を見ようと待機している人たちが、それまでの間、チャンネルを「八重の桜」に合わせたからと見るべきだからである。

 泣かせる話というのは、京都にいることを知った八重の兄覚馬(かくま)には、会津に残した妻とは別の現地妻がおり、しかもその女との間には子どもまでいることがわかって、彼の妻は失意のうちに実家へ去る。
 一方、八重も、理由を告げられないまま、夫から「三行半」(みくだりはん/離縁状)を送られ、無理やり離縁されるという話である。

 ヒットするドラマには、古くは「同情するなら金をくれ」(「家なき子」)、最近では「承知しました」(「家政婦のミタ」)のような、個性の強い主人公が吐く〝毒のある名セリフ〟が登場する。 

 「八重の桜」にも「ならぬものは、ならぬ」という会津魂があるが、インパクトに欠ける。

 その点、「半沢直樹」が悪人たちに向かって吐く「倍返しだッ!」には、弱者が強者にむかって吐く猛毒のような〝共感を呼ぶインパクト〟がある。

 「半沢直樹」が絵にかいたような「勧善懲悪」なのに対し、「八重の桜」は敗者の滅びの美学であり、気分爽快になれないどころか、見ていて切なく、暗い気持ちになってしまう。

 「半沢直樹」は、正論を吐き、正義を貫く主人公が、権力者たちに脅され、いびられ、意地悪されるが、それにじっと耐えに耐えて、最後に悪漢どもに正義の刃(やいば)で仕返しするという、日本人好みの設定である。

 「半沢直樹」の視聴率は回を重ねるごとに上昇しており、「八重の桜」は、そのオコボレに預かっているのだ。

 (城島明彦)

納涼の季節に、1か月のご無沙汰でした

いま、8月7日の午後11時45分

 ブラザーズ・フォアのフォークソングをCDで聴いている。

 グリーンフィールズ、遥かなるアラモ、七つの水仙、イエロー・バード、トライ・トゥ・リメンバー、北京の55日、悲しきカンガルー、さらばジャマイカ、漕げよマイケル、グッドナイト・アイリーン、青春の光と影、花はどこへ行った、500マイル、サンフランシスコ湾ブルース、わが祖国。

 東宝で助監督をやっている時代にLPレコードを通販で買い、成城学園にあった寮の一室で聴いていた。
 その後、ソニーに移ってからは、カセットテープに録音して繰り返し聞いていた。

 私の高校時代・大学時代にヒットした曲は、当時もいまも、気持ちを落ち着かせてくれる。

 そんなことを考えながら、
 「しばらくブルグを更新していないな」
 と、わがブログを開いてみたら、最後に書いたのが7月12日だった。

 もうすぐ1か月になんなんとしていることに自分で驚いてしまった。

 私のページを定期的に訪ねてくれている人のなかには、
 「こいつ、病気になったのじゃないのか」
 と心配してくれた人もいるかもしれず、そう考えると申し訳ないという気持ちになる。

 その間、物書きとして原稿は書いているのだが、なぜかブログの文章を書く気にはなれなかった。

 軽い風邪をひいて微熱が出た日は数日あったが、それ以外に病気をしたわけではない。
 精神的に深く落ち込んでいたというわけでもない。

 なんとなく書く気がしなかっただけだ。
 不思議なことだが、こういうことが年に何回かある。


「1か月のご無沙汰でした」で思い出すのは、中学の修学旅行

 中学3年になった春の修学旅行は箱根・東京で、そのときのコースに浅草の「国際劇場」があった。

 浅草の国際劇場と有楽町の日劇は、人気の高い劇場だったが、どちらもいまは跡形もなくなっている。

 その日の演(だ)し物は、(どうして中学生に見せたのか、その趣旨がわからない)SKD(松竹歌劇団)のラインダンスと、テレビ(TBS)の人気番組「ロッテ 歌のアルバム」だった。

 それが中継だったのか収録だったのかは記憶にないが、司会者は「1週間のご無沙汰です」の決まり文句で番組を始める玉置宏。

 冒頭の「1か月のご無沙汰でした」は、その玉置宏をまねたのである。

 国際劇場では、どんな歌手が登場してどんな歌を歌ったのか、まったく覚えてはいないが、「1週間のご無沙汰でした。玉置宏でございます」だけはよく覚えている。
名調子の司会者だった玉置宏も、2010年に鬼籍に入ってしまった。

 その修学旅行では、旅館に泊まる日の夜、外出許可をもらって、慶應大学の学生だった従兄の案内で日劇に連れて行ってもらった。
 登場した歌手は、渡辺マリ。
 歌った曲は、彼女の大ヒット曲「東京ドドンパ娘」。

 ♪ ドドンパ ドドンパ ドドンパが私の胸にィ 消すに消せない火をつけたァ……
 
 という奇妙な歌詞だったが、曲がリズミカルで覚えやすく、一度聞いただけで記憶に刻まれる歌だった。

 今日のところは、これくらいで、またお目にかかります。

 (城島明彦)


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