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2013/08/07

8月4日の「半沢直樹」の第4回「10倍返しだ!」の瞬間最高視聴率(30%)は、「八重の桜」(15.4%)の倍返しだッ!

「半沢直樹」人気が「八重の桜」にも波及

 コーヒーを飲み過ぎたせいか、眠れないので、「深夜便」というより「夜明け便」だッ。

 8月4日の「八重の桜」(第31回「離婚のわけ」)の視聴率は15.4%と健闘したが、NHKはそれを手放しでは喜べない。

 なぜなら、八重の家族が崩壊するという〝泣かせる話〟だったからではなく、午後9時から始まるTBSの日曜劇場「半沢直樹」を見ようと待機している人たちが、それまでの間、チャンネルを「八重の桜」に合わせたからと見るべきだからである。

 泣かせる話というのは、京都にいることを知った八重の兄覚馬(かくま)には、会津に残した妻とは別の現地妻がおり、しかもその女との間には子どもまでいることがわかって、彼の妻は失意のうちに実家へ去る。
 一方、八重も、理由を告げられないまま、夫から「三行半」(みくだりはん/離縁状)を送られ、無理やり離縁されるという話である。

 ヒットするドラマには、古くは「同情するなら金をくれ」(「家なき子」)、最近では「承知しました」(「家政婦のミタ」)のような、個性の強い主人公が吐く〝毒のある名セリフ〟が登場する。 

 「八重の桜」にも「ならぬものは、ならぬ」という会津魂があるが、インパクトに欠ける。

 その点、「半沢直樹」が悪人たちに向かって吐く「倍返しだッ!」には、弱者が強者にむかって吐く猛毒のような〝共感を呼ぶインパクト〟がある。

 「半沢直樹」が絵にかいたような「勧善懲悪」なのに対し、「八重の桜」は敗者の滅びの美学であり、気分爽快になれないどころか、見ていて切なく、暗い気持ちになってしまう。

 「半沢直樹」は、正論を吐き、正義を貫く主人公が、権力者たちに脅され、いびられ、意地悪されるが、それにじっと耐えに耐えて、最後に悪漢どもに正義の刃(やいば)で仕返しするという、日本人好みの設定である。

 「半沢直樹」の視聴率は回を重ねるごとに上昇しており、「八重の桜」は、そのオコボレに預かっているのだ。

 (城島明彦)

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