「八重の桜」(第34回「帰って来た男」)で、八重が歌った賛美歌「Jesus Loves Me」(主我を愛す)
「倍返しだ」は「アベノミクス」に次ぐ今年の流行語大賞候補
8月最後の日曜(25日)の連続ドラマでは、「八重の桜」に続いて見た「半沢直樹」(第6話)が面白く、期待しながら見てしまった。
「半沢直樹」は人気が加速化し、視聴率は前週と同じく29.0%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)だったが、瞬間最高視聴率では前週を超えていた。
銀行の本店の金庫を開ける場面など、普通の人が知らない暗証番号のことをストーリーに織り込んでいるのも、視聴者の興味を弾いているのではないか。
悪役や悪役が土下座するシーンはワンパターン化しているが、これも〝現代版・水戸黄門〟。
視聴者は、悪の限りをつくして立身出世し、権力を手に入れた連中を、〝正義の味方〟半沢直樹が、こらしめ、最後は「ヘヘーッ」と土下座して謝ることで、溜飲を下げるのである。
土曜ドラマ「夫婦善哉」は傑作。尾野真千子が迫真演技
前日は大阪NHKが制作した土曜ドラマ「夫婦善哉」(4回放送の第1回)をつい見てしまったが、これは傑作。
映画のような凝った撮り方をしているだけでなく、時代考証も念入りで、金もかけている。
大河ドラマのような「長丁場もの」は、いまのように忙しい時代には向かない。
せいぜい4回連続ぐらいで話が完結しないと、1年近く毎回欠かさず見るのは難しい。
「夫婦善哉」では、役者の関西弁も板についており、特に妻役の尾野真千子は、こてこての大阪弁が自然で、大阪女としての存在感がにじみ出る演技だった。
親から勘当される大店のどら息子役の森山未来は、いまひとつだが、それでも、情けなくて頼りない風情をよく出している。
脚本は、悪名高かった大河ドラマ「平清盛」を手がけた藤本有紀と知って驚いた。
あれだけの失敗をしても、またチャンスを与えられるのだから恵まれている。
今回の脚本は、織田作之助の原作がしっかりしていることもあるが、1回目を見た限りでは、よくできていたと評価できる。
八重の視聴率は、そこそこ
大河ドラマ「八重の桜」は、八重がアメリカ留学の経験がある日本人宣教師の新島襄と出会い、プロポーズされ、やがて再婚するというあたりまで進んできた。
ドラマとしては、個人的には、血なまぐさい幕末の会津戦争より、明治時代の物語の方が好きだ。
視聴率を見ると、7月より多少ではあるが伸びている。
▼7月……7日12.9%、14日16,6%、21日14.5%、28日12,6%(月平均14.1%)
▼8月……4日15.4%、11日13.9%、18日15.9%、25日13,4%(月平均14,6%)
八重が歌った賛美歌「主我を愛す」の思い出
八重が外人宣教師から賛美歌を習っている場面で、「Jesus Loves Me」が使われていた。
この賛美歌は子ども向けにつくられた曲で、私も小学3年生のときに通っていた教会の日曜学校で覚えた。
♪ 主我を愛す 主は強ければ
我弱くとも 恐れはあらじ
わが主イエス わが主イエス
わが主イエス 恐れはあらじ
「ソ・ミ・ミ・レ・ミ・ソ・ソ~」で始まる、とてもシンプルな曲でありながら、胸が震えるような旋律で、私はクリスチャンではないが、いまでも折に触れて「主我を愛す」という詞と旋律が口をついて出てくる。
(城島明彦)
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