第26回「八重、決戦のとき」は、見どころいっぱいだったが、視聴率は14・0%
6月最後の「八重の桜」(30日放送)は「3つの見どころ」があった
6月60日放送では、涙あり、勇気あり、迫力ありで、次の3つの「見どころ」があり、高視聴率を記録するのではないかと思っていたが、ふたを開けると、視聴率は14・0%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、前回比1・1ポイントアップは達成したが、数字的にはそこそこだった。
◆第26回の3つの見どころ
①会津藩家老西郷頼母(さいごう たのも)の妻や娘たちが、そろって自刃
②飯盛山で白虎隊の少年たちが次々と自刃
③鶴ヶ城に籠った八重は、銃撃隊を指揮して、勇猛果敢に官軍を次々と射殺
妻子が自決して自分だけ生き残るドラマでは共感は生まれない
ドラマは、圧倒的に戦力の劣る会津軍に敗色が迫るなか、八重は女だてらに、死んだ弟の形見の装束に身をかためて、まなじりを決して鶴ヶ城に籠城。
せめて来る官軍を銃撃するという、「八重の桜」のなかで最も劇的なシーンのひとつとなるクライマックスシーンである。
一方、家老・西郷頼母の妻千重子は、娘たちを奥座敷に集め、自刃して果てる。娘たちのなかにはまだ幼い者もいたが、全員自決した。
西郷一族で自刃した者の数は21名にも上るという悲惨さで、会津戦争を語る上で、白虎隊と並んで欠かせないエピソードとなっている。
西郷の妻が、娘たちにも自害を求めたのは、頼母が、常日頃から、いざというときはそうせよと言い聞かせていたからである。
だが、頼母本人は会津戦争で戦死することもなく、自刃もせず、明治36年まで生きるのだから、殿様の容保同様、国民的共感は得られない。
(城島明彦)
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