「世界の天才」と思える歴史上の人物は誰?
「原稿枚数制限」と格闘する物書きの苦痛
先月末にやっとムック「世界の天才」の原稿を脱稿、ゲラが上がってきた。
本の発売は来月(6月)。
企画の段階から参加させてもらい、自分の好きな画家(レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ベラスケス)や建築家(ガウディ)、工芸家(ガレ)など、力が入ったが、1人分が500字弱という字数制限があって、このなかに収めるのが限りなくしんどい。
作曲家、作家、学者の世界の天才もたくさん書いたが、字数・次数で神経をすり減らす。
ムックという本の特性上、「デザイン優先」という編集方針を打ち出しているので、書きたいことも十分書けず、取り上げる人物の姓名をフルネームで使うことをできない有様で、神経疲労が激しい。
校正を担当する人には、そういうことへの配慮はなく、テグジュペリと書いたら、サン=テグジュペリで統一してほしいといってきた。
『星の王子さま』を書いた彼のフルネームは、アントワーヌ・マリー・ジャン=バティスト・ロジェ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine Marie Jean-Baptiste Roger de Saint-Exupéry)。
フルネームで原稿を書くと、これだけで36文字。とてもじゃないが、書ききれない。
サン=テグジュペリとすると、3文字増える。
だから、名前を二度、三度と出さざるを得ないときは、「彼」としている。
別の男がもう一人出てくると、どっちが彼かわからなくなるので、仕方なく、名前を使う。
ここまでしなければならない「制約」には、「問題がある」が、そういう字数に決まっている以上、致し方ない。
おそらく、そういう制限で読ませる方がいいというデータでもあるのだろう。
恐怖の名前? 名前だけで83文字!?
サン=テグジュペリで驚いちゃあいけない。ピカソはもっと長い。
パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シブリアーノ・センティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ。
名前だけで83文字で、この名前をはじめてしったときは頭がガッチャマン状態になった。
ピカソの名前にヒントを得て、かなり前に書いた小説で、もっと長い長い名前を外人の登場人物に使ったことがある。
原稿用紙1枚いくらという仕事なら、長い長い名前は大歓迎だが、ムックはそうはいかない。
そこで、文字制限があると、文章に「体言止め」を多用するしかなくなる。
誰が書いても一緒のような内容にするのなら楽だが、読者に「へえ、そうだったんだ」「面白い」「城島明彦は違う」などと思ってもらえるようにしようと(勝手に)意気込んでしまって、悪戦苦闘の毎日だ。
そういうことと格闘し続けていれば、「うつ」にもなろうというもの。
読者は、こういうことを知らずに読む。
いや、そういう苦労を読者に感じさせないのが、プロというもの。
そこが腕の見せどころだ。
なにはともあれ、頑張るしかありませんぞな、もし。
(城島明彦)
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