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2013/03/11

「八重の桜」の視聴率が下がる大きな原因は、演出の不親切と音楽センスのなさ!

視聴率激落(前回15.1%→今回12.6%)――「八重の桜」(3月10日「池田屋事件」)は、なぜ無闇に不快な音楽をかぶせるのか!?

近年、「民放のような番組づくりで国民に迎合しようとする情けない番組がやたら目につくNHK」だが、「八重の桜」の演出はNHKらしい正統派が感じられ、「よく撮(と)れている」と高く評価するが、演出家は音楽がわからない人間なのか?

 元治元年(1864年)夏の「祇園祭」の宵山の日に、尊皇攘夷派の長州藩士らが宿泊している京都三条小橋のたもとにある旅宿「池田屋」を新選組が急襲し、多数殺傷した惨劇の後の会話シーンでは、不必要と思われる音楽をかなり長く流し、会話を邪魔した。

 しかも、聞いていて不快になる音楽だった。どういう料簡(りょうけん)なのか。

 新撰組の殺傷事件はド迫力で、うまい演出と感じたし、「八重の桜」のテーマ曲も私は好きだが、こういうレベルの低い演出は許しがたい。

 音楽をやたらかぶせるシーンを多くするのが当今の流行なのかもしれないが、セリフだけで十二分に持つ場面にまで演出家は平気で延々(えんえん)と音楽を流す。
 
 こういうことは今回だけではない。どういうセンスをしているのか。

 こういったことを繰り返し、積み重ねていくから視聴率がジリジリと下がってくるのだ。


血を吐いた新選組隊士が沖田総司とわかる人だけ見ればいいのか!?
 
 強そうな若い隊員が戦闘中に血を吐く場面が出てくる。
 新選組や幕末のことに詳しい人は、それが新選組で一二を争う剣の遣(つか)い手として知られる一番組組長の沖田総司(おきた そうじ)であることがすぐにわかるが、それ以外の人はまずやらわからない。

 新選組といえば近藤勇ぐらいしか知らないおばちゃんやおばあちゃんは、それが誰なのかわからない。
 なぜ人名のテロップを出さないのか。

 大河ドラマという性格上、何人もの歴史上の人物が多勢出てくるが、池田屋襲撃現場で深手を負い、敵にとどめを刺されるよりはとは思って自決した尊攘派の武士が熊本藩士の宮部鼎蔵(みやべ ていぞう)とすぐにわかる人が何人いるか。

 それまでのドラマを見てきた人でも、次から次へといろいろな武士が出てくるので、しかも、前回のドラマから一週間も立っているから、どの俳優がどの役を演じているのかわからなくなってくるはずだ。

 毎回、主要人物にはテロップを入れるのが、視聴者への親切というものである。NHKは、また不評をかこった去年の「平清盛」のときと同じことをやっている。


NHK職員の平均年収は1100万円――高すぎると思えるその給料は視聴者が出している

 NHK職員の平均年収は1100万円と高額だが、それはどこから出ているのかと「週刊実話」は書いているが、出所は改めていうまでもなく聴取料からである。

 高い給料に聴取料を使い、大河ドラマの制作費に金をたっぷりかけながら、視聴者サービスを軽視するとは、どういうことか。
 視聴者に親切にしなければならない理由、そして低視聴率では済まされない理由がここにある。

 裏番組ではWBCで侍ジャパンが打つわ打つわで打線大爆発! そちらは繰り返し選手の名目をしつこいくらい連呼したりテロップが流れ、野球のルールを知らないおねえちゃんやおばさんが見ても、気分爽快!

 裏番組で、浅田真央が出場するフィギュアの選手権大会やオリンピックといった人気のある実況中継があると、NHKの大河ドラマはガクンと視聴率が起き、翌週、そうした裏番組がないと視聴率はそれよりよくはなるが、当初の勢いを失う――というのが、ここ何年かのパターンになっている。

 問題は、それをきっかけに徐々に視聴者ばなれが起きていくことだ。
 
 
(城島明彦)


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