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2013/01/25

天知る、地知る、我知る、汝知る

 
いい言葉ですなあ

 楊震(ようしん)という名の官僚がおりましたぞ。
 時代は、いまを遡ること2000年近い昔、中国は「後漢」の時代のお話ですな。

 政治を動かしていたのは、「宦官」(かんがん)。
 キン○マを抜かれた官僚ですな。
 (このようなお下劣なお言葉を使うのは、「汗顔」のいたりではありますが、わかりやすくいうには、この表現が一番でしてな)

 世は乱れ、賄賂(わいろ)が横行しておりましたが、楊震はどこまでも人格高潔。
 そんなものには見向きも致しません。

 そんな楊震のところへ、昔、取り立ててやった部下がやって参ります。 
 それがきっかけで、この男、いい暮らしをしており、
 「これは賄賂ではありません。恩返しの気持ちをこめたお礼です」
 といって、お金を渡そうとしたのですな。

 すると楊震、その金を押し返し、厳しい声でこういったのですな。

 「天知る、地知る、我知る、汝知る」

 誰にもわからないと思っているのかもしれないが、天が知っているし、大地も知っている。それだけではない。私も知っているし、誰よりも君自身が知っている。いつか必ず世間に知られることになる。秘密とはそういうものだ。 人の上に立つ者は、いつも気持ちを引き締め、慎まねばならない。

 いい言葉じゃありませんか。Eの上のFかGカップの評価をあげたいですな。


宦官時代だけに、こんないい言葉をほっておく手はナイチンゲール

 「天知る、地知る、我知る、汝知る」は、「四知」(しち)と申しますな。
 しかし、そんな「しち面倒くさいこと」をいっていると「はち」(蜂)がやってきて刺されかねませんから、先を急ぐことにしますかな。

 おっと、ぼんやり読み飛ばしてなりませんぞ。
 「先を急ぐ」の「急」は「きゅう」、つまり「九」ということですからな。
 こういう漢字を当てるというのは苦渋の選択ではありますがな。
 もうおわかりですな。
 苦渋=九・十。
 七、八、九、十は小さな子どもでも「四知」ております。
 
 ――と、やわらか頭にしたところで、さっそくレッスンと参りますかな。

 問題 「天知る、地知る、子知る、我知る」をお手本にして含蓄のある諺(ことわざ)を創作せよ

 まともに考えてはいけませんぞ。
 創作というのは、クリエイトですからな。
 「栗が8個」でクリエイト。

 日本語力を磨くには、これに限りますな、

 模範解答をいくつか挙げておくので、各自、自習しておくんなまし。

 【解答例】

 ①天知る、地知る、我知る、天知茂

 ②チルチル、ミチル、チルド食品、桜散る

 ③とん汁、煮汁、だし汁、味噌汁

 ④いじる、ほじる、くじる、鼻汁

 だんだん情けなくなって参りましたゆえ、これでおしまいと致しまする。

 
 (城島明彦)

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