天知る、地知る、我知る、汝知る
いい言葉ですなあ
楊震(ようしん)という名の官僚がおりましたぞ。
時代は、いまを遡ること2000年近い昔、中国は「後漢」の時代のお話ですな。
政治を動かしていたのは、「宦官」(かんがん)。
キン○マを抜かれた官僚ですな。
(このようなお下劣なお言葉を使うのは、「汗顔」のいたりではありますが、わかりやすくいうには、この表現が一番でしてな)
世は乱れ、賄賂(わいろ)が横行しておりましたが、楊震はどこまでも人格高潔。
そんなものには見向きも致しません。
そんな楊震のところへ、昔、取り立ててやった部下がやって参ります。
それがきっかけで、この男、いい暮らしをしており、
「これは賄賂ではありません。恩返しの気持ちをこめたお礼です」
といって、お金を渡そうとしたのですな。
すると楊震、その金を押し返し、厳しい声でこういったのですな。
「天知る、地知る、我知る、汝知る」
誰にもわからないと思っているのかもしれないが、天が知っているし、大地も知っている。それだけではない。私も知っているし、誰よりも君自身が知っている。いつか必ず世間に知られることになる。秘密とはそういうものだ。 人の上に立つ者は、いつも気持ちを引き締め、慎まねばならない。
いい言葉じゃありませんか。Eの上のFかGカップの評価をあげたいですな。
宦官時代だけに、こんないい言葉をほっておく手はナイチンゲール
「天知る、地知る、我知る、汝知る」は、「四知」(しち)と申しますな。
しかし、そんな「しち面倒くさいこと」をいっていると「はち」(蜂)がやってきて刺されかねませんから、先を急ぐことにしますかな。
おっと、ぼんやり読み飛ばしてなりませんぞ。
「先を急ぐ」の「急」は「きゅう」、つまり「九」ということですからな。
こういう漢字を当てるというのは苦渋の選択ではありますがな。
もうおわかりですな。
苦渋=九・十。
七、八、九、十は小さな子どもでも「四知」ております。
――と、やわらか頭にしたところで、さっそくレッスンと参りますかな。
問題 「天知る、地知る、子知る、我知る」をお手本にして含蓄のある諺(ことわざ)を創作せよ
まともに考えてはいけませんぞ。
創作というのは、クリエイトですからな。
「栗が8個」でクリエイト。
日本語力を磨くには、これに限りますな、
模範解答をいくつか挙げておくので、各自、自習しておくんなまし。
【解答例】
①天知る、地知る、我知る、天知茂
②チルチル、ミチル、チルド食品、桜散る
③とん汁、煮汁、だし汁、味噌汁
④いじる、ほじる、くじる、鼻汁
だんだん情けなくなって参りましたゆえ、これでおしまいと致しまする。
(城島明彦)
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