去年は菅野、今年は大谷。〝強行指名の常習球団〟日ハムは、豚だけでなく、人も殺そうとするのか!?
〝悪魔球団〟日ハム、球速160キロの大谷翔平の「大リーグ行きの夢」を断とうと「強行指名」
大谷翔平の高校通算57本塁打も驚きだが、球速160キロはもっと驚きだ。
何十年に一度の怪物投手・花巻東高校の大谷は、大リーガーに行きたいと表明し、大リーガーのスカウトがすでに動いていた。
ところが、そんな夢をぶち壊す「強引」なことをやる球団が、昨10月25日のドラフト会議で出現した。
日ハムだった。
日ハムは、10年前の「偽装牛肉事件」を忘れたのか!
2001年秋、日本初のBSE(狂牛病)に感染した国産牛が発見された。
農水省は、汚染牛が市場に出回るのを阻止するために、「国産牛の買い取り制度」を実施すると発表したが、それを悪用して「安い輸入肉を国産牛に偽装して補助金を詐取しようとした悪徳企業」のひとつが日ハムだった。
国産牛は、農水省の外郭団体(農畜産業振興事業団)が、6つの業界団体を通じて買い取るという方法だったが、日ハムは、その制度も悪用し、農水省に無断で偽装肉を償却し、証拠隠滅を図ろうとしたのだ。
大迫は、当時、業界団体のひとつである「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」の会長をしており、農水省のチェックが行われる以前に、証拠隠滅のために、「自主点検し、対象外の肉だったことが判明したので、焼却処分にした」という口実を設け、自社の分を焼却させたのである。
それら一連の不正事件が発覚したことで、カリスマ創業者で、当時、「日ハム会長」兼「日ハム球団オーナー」だった大社義規は、引退に追い込まれた。
日ハムには、社風として「強行体質」があるのではないか、といいたいのである。
私は以前、一度だけだが、大社義規を取材している。
どうやって会社を立ち上げたかという話や球団経営を開始して始めて優勝したときのことなどを2時間ばかり聞いたが、終始柔和な笑みを浮かべていた印象がある。
その表情から不正事件のことは考えづらかったが、人は見かけによらなかったのだ。
前記のような不正事件を起こしたのである。
糸で縛って青春の自由を奪う〝ボンレス殺法〟――日ハムの、あざとい手口
去年のドラフト会議では、原辰徳の甥っ子で巨人入りを熱望していた東海大の菅野菅野智之を強引指名し、一浪に追い込んだ。
私は中日ファンで、原辰徳などどうでもいいが、甥っ子と一緒に試合をしたいという情はよく理解できるし、セ・リーグ全体の関心事にもなる。
ところが、強行指名だ。嫌がらせとしか思えない。
そして今年は、大谷だ。
本人が驚かないように、前日、栗山監督が、
「明日指名します」
と弁解めいた記者会見までして見せた。
このやり口、その手口の強引さは、10年前の「偽装牛肉事件」を思いださせはしまいか。
「羊の皮をかぶった狼」という言い方があるが、日ハムは、
「ハムの皮をかぶった恐怖の屠殺人(とさつにん)」
だ。
「こんなチームを日本シリーズに送り出して、パ・リーグの他球団は恥ずかしくないのか!」
と、毒づきたい心境である。
日ハムは、贈答品の稼ぎどきの年末・正月商戦を控えている。
一度ならず、二度までも強行したことで下落した企業イメージは、売上に影響する。
強行するのが当たり前の企業だから、
「そんなことは関係ない。日本シリーズに勝てばいいのだ」
と、日ハムはいうかもしれない。
おごる企業は久しからず。歴史がそう告げている。
少しは、人間味のあることをしたらどうか。
(城島明彦)
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