落合博満を切って高木守道を監督にした中日球団首脳の経営判断はハズレた
高木監督になって、観客離れはかえって加速
セ・リーグで昨季優勝したにもかかわらず、落合博光監督を中日ドラゴンズ球団が解約して、ちょうど1年が経つ。
落合解任の主な理由は、次の2点だった。
①落合博満は、中日ドラゴンズを競合チームに育て上げたが、中日スポーツの記者にさえリップサービスをしなかったために、新聞記事が書きづらく、記者連中から不評だった。
②1点を争う試合がほとんどの落合野球では、野球本来の醍醐味がなく、入場者が増えない。
落合をクビにしてOB会の会長だった長老格の高木守道を新監督にした人事は、はたして成功だったのか。
高木は、星野仙一ほどではないが、感情をあらわにする古いタイプの監督だ。
妙なところでスクイズさせたり、奇妙な采配も目立った。
それより何より、球団首脳が期待した観客は増えるどころか、減っているようだ。
昨季は優勝し、日本シリーズに出場したので、その入場者数・入場料も球団にプラスされたが、今年は日本シリーズに出られるかどうか。
クライマックス・シリーズで、苦手ヤクルトに勝てる確率は50%
昨季までの中日は、エースが相手に最少得点しか与えず、最後は浅尾・岩瀬の磐石の2枚ストッパーで僅差で勝利することが多かった。
しかし、浅尾は5月半ばで肘を痛めて戦線離脱、4か月を捧に降り、9月に入ってやっと出てきた。
その間、岩瀬も不調で、何人もの投手をたらい回しで、何とか逃げ切るという「場当たり的な采配」が目立った。
そうこうしていたら、9月18日の巨人戦では、13勝4敗、防御率1・75というエースの吉見が4回途中でヒジに違和感を感じてリタイア。検査の結果、骨折していたことが判明。
監督の高木やコーチの権藤は、どういう選手の健康管理をしていたのか。
今年は、昨季とちがって、投手戦で星を落とす試合も多く、全体を通すと打線勝負で大量点を取って勝つ試合が結構多かった。しかし、大味な試合も目立ち、11安打を放ちながら1点も取れなかった試合を見て、高木では優勝できないと思った。
数字だけを見れば、20以上も貯金しているのは立派ではあるが、阪神・DeNA・広島という弱すぎるチームの存在で、巨人が40以上も貯金するという「異常戦線下」で、どういう戦い方で勝利を掴み取るかといった采配が、高木にはなかった。
9月18日時点での巨人VS中日のチーム別対戦成績は、次のようになっている。
△巨人成績(+41)
対ヤクルト 9勝7敗4分(+2)
対阪神 15勝5敗4分(+10)
対DeNA 14勝3敗2分(+11)
対広島 14勝6敗1分(+8)
対中日 10勝10敗3分(0)
交流戦 17勝7敗0分(+10)
▼中日成績(+21)
対ヤクルト 7勝13敗3分(-6)
対阪神 13勝6敗1分(+7)
対DeNA 12勝5敗2分(+7)
対広島 15勝6敗2分(+9)
対巨人 10勝10敗3分(0)
交流戦 12勝8敗4分(+4)
対ヤクルト戦での巨人との勝敗の差は、8つもある。これと交流戦の勝敗の差6つが、優勝と2位という大きな違いを生んだのである。
中日は巨人と互角に戦ったが、そこで全力を使い果たして、勝てるはずのDeNA戦でいくつも逆転負けを喫するなどしている。
高木には、「2強時代を勝ち抜く策がなかった」といえる。
(城島明彦)
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