NHK大河ドラマ「平清盛」(第7回「光らない君」)は、話はわかりやすかったが……
視聴率はどう出る!?
第7回のタイトル「光らない君」は、「光源氏とは比べものにならない、ダサい清盛」という意味だろうが、ストーリーとしては、清盛と最初の妻明子が結婚するエピソードが描かれるので、話としてはわかりやすい。
前回は、裏番組に浅田真央が出ていた4大陸フィギアスケート選手権の実況中継もあって、視聴率13%台という惨憺たる結果だったが、今回はフィギアもないのだから、それで視聴率が回復しないようなら、清盛という人物そのものへの世人の関心が薄いか、演出や主演者らへの魅力が乏しいということになる。
清盛の初婚の相手と再婚の相手
加藤あいが扮する高階明子(たかしなのあきこ)は、下級官僚「近衛将監」(このえしょうげん)の娘。
清盛との間に嫡男重盛(しげもり)を生むが、やがて死去する。
加藤あいの顔つきには、どことない薄幸な影が漂っているので、長生きできない役には向いていた。
後妻になるのが、深田恭子演じる〝仕切り大好き〟時子。
時子は桓武平氏の流れをくむ中流貴族の娘だが、「高階明子とお友だち」という設定は、できすぎた話。
清盛と再婚するときは、トウがたっている。
重盛の「忠と孝」
大河ドラマでもやがて登場する平重盛は、やがて「小松の大臣(おとど)」と呼ばれ、『平家物語』では「人間ができた人物」として描かれ、激高タイプの父清盛をしばしば諌める場面が出てくる。
昔の道徳などの本には必ず登場した重盛の次の言葉は、名言として有名。
忠ならんと欲すれば孝ならず、考ならんと欲すれば忠ならず。
「主君に忠義を尽くそうとすると親に孝行できなくなり、逆に親に孝行しようとすると主君に逆らうことになって忠義だてできなくなる。はてさて、むずかしいものだ」
といった意味である。
一方、皇室では、のちの美福門院(びふくもんいん)得子(なりこ)が、「男の子を生みたい」といって鳥羽上皇を押し倒すサービスカットがあったが、皇子(のちの近衛天皇)が生まれるのは3度目の出産で、まだ先の話。
(城島明彦)
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