NHK大河ドラマ「平清盛」――平家が滅んだ最大の原因は「清盛の好色」
第1回の感想――岡田将生はミスキャストでは
2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」は、「江~姫たちの戦国~」で懲りたのか、
「これはフィクションですよ」
と、最初から視聴者に思わせるためか、いきなり「舞子」という清盛の母となる架空の人物(白拍子)を登場させた。
清盛の出生については諸説あるが、NHKは、白河法皇が白拍子に生ませた「ご落胤(らくいん)説」を採った。
ドラマとしてはこちらの方が面白い。
伊東四朗の白河法皇は、適役というべきか、怪演した。
しかし、私のイメージでは、伊藤四朗が演じた白河法皇は、白河法皇というより、後に頼朝が「日本一の大天狗」といった後白河法皇に近かった。
何ともなさけない風情の鳥羽上皇を演じた三上博は、適役。
祇園女御(ぎおんのにょうご)役の松田聖子は、演技はさておき、あの時代に美人顔といわれた「しもぶくれ顔」にピッタリ。
しかし、頼朝役で出た岡田将生は、ちゃらちゃらした印象で、ミスキャストではないのか。
若者層の人気の高さに目をつけた視聴率稼ぎの一環か?
NHK大河には「登場人物の大物のうち誰かがナレーション役になる」という決まりになっているが、今回の「清盛」では、平家を滅ぼし、政権を奪った仇敵の「頼朝が清盛を語る」というスタイルを採っていた。
こういう発想はあまりしないので、ユニークで面白いのではないか。
第1回なので、説明しなければならず、仕方がないのかもしれないが、中井貴一が演じた清盛の父忠盛がやたら人生を語り、ちょっと理屈っぽいのではないかとの印象を受けた。
清盛のドスケベさが平家を滅ぼした!
白河法皇は女好きだったが、清盛もそれに劣らぬドスケベだった。
源頼朝は、戦に破れて父親の義朝(みなもとのよしとも)と逃げる途中で平家に見つかり、清盛の前に引きずり出されて斬首されることになったが、そのとき清盛の義母に、
「死んだ息子とよく似ているので、助けてやってほしい」
と嘆願され、清盛が聞き入れてしまい、頼朝を流罪に減刑する。
この判断が仇(あだ)となって、やがて頼朝は伊豆で決起し、源平合戦へと発展、平家を滅ぼすことにつながるのだ。
もし義母がそんなことをいわず、また、清盛が助命嘆願に「ノー」といっていたら歴史は変わっていた。
清盛は、義経を捕らえたときも、義経の母の常盤御前(ときわごぜん)の色香に迷って、「自分の愛妾になったら、義経の命は助けてやる」といって、そのとおりにした。
常盤御前は〝元祖ミスコンの女王〟で超美人。
清盛は常盤御前に女の子を生ませる。
やがて助けた義経が成人し、清盛の死後、大活躍して源平合戦で奇策を連発し、とうとう壇ノ浦で平家を滅ぼすのだ。
歴史は夜つくられる。
歴史は女がつくる。
(1月10日追記)第1回の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ。関東地区)が発表された。17・3%で、第1回としては2006年の「功名が辻」(19・8%)以来の最低視聴率を記録。
(城島明彦)
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