平成綴り方狂室「元旦色づくし」
「あけましておめでとう」
と講堂の壇上より挨拶すれば、日頃、桃色遊戯にいそしむ女性徒たちから、
「キャーッ! 素敵!」
耳をつんざく黄色い声。
(ついに先輩校長たちの人気を超えたぞ。出藍〈しゅつらん〉のほまれだ)
と胸を張ったはよいけれど、よく見りゃ予期せぬゲスト、人気タレントのお出ましだった。
興奮で朱に染まった我輩(わがはい)の顔は、とんだ赤っ恥とばかりに一瞬にして青ざめた。
なんとも白けてしまった年の始めであった。
ああ、この失態、緑のそよ風が吹く頃まで頭から消えんだろうなあ、トホホ。
注:私は校長ではありません。女子高の校長という設定のギャグであります。
(城島明彦)